Bリーグ

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2020/05/03

レジェンド折茂武彦が引退会見を実施 27年の現役生活に終止符

 5月3日、レバンガ北海道の折茂武彦が引退会見を実施した。前日の松島良豪の引退会見同様に、昨今の情勢を踏まえてオンライン、YouTubeでのライブ配信で会見が実施されたが、多くのメディア、ファンがその様子を見守った。

 

 27年間。誰よりも長いキャリアを終えて「今季は新型コロナウイルスの影響でシーズンが途中で終わるという厳しい難しいシーズンでしたが、27年間多くの方に支えられ、ここまで来られたことは幸せでした。やり残したことはたくさんあったけど、良いバスケット人生でした」と清々しい表情で語り、会見が始まった。

 

 

 さまざまな質問が飛び交う中で、折茂が何度も口にしたのが周囲への感謝。2007年にトヨタ自動車(現A東京)から37歳という年齢で北海道にやって来てから13年。本来であれば引退を迎えていてもよい年齢だが、「北海道でたくさんの方に必要としてもらえて、応援してもらえて、支えてもらえて。だから頑張れた、それがなかったら100%ここまでやっていないし、できていない。それだけ、皆さんの思いが伝わりました。感謝でしかない」という言葉が49歳までプレーできた最大の要因だ。

 

 そして、その感謝があったからこそのレバンガ北海道設立。北海等という土地への思い入れは深いもので、最も印象に残っている言葉には、ブースターからかけられたという「北海道に来てくれてありがとう」という言葉を挙げている。

 

 一方で当然、後悔もある。3月中旬の取材で「一つの後悔もなく引退することは難しいと考えていたけど、本当にその通りだった」と口にしていたが、この会見でも「応援してくれる方々の期待に応えられなかった、チームを勝たせることができなかった、最後まで自分がプレーするところをブースターの皆さんに見せることができなかった」という趣旨の言葉が並んだ。

 

 特に今季(2019-20シーズン)は決して、有終の美とはいかないシーズンの幕切れ。もう一年しっかりとプレーして引退という選択肢もあったはずだ。それでも引退という意思を曲げなかった理由として折茂は「開幕前に会見を行って今季限りでの引退と決めてシーズンに臨みましたが、途中で中止になってしまった。その時に『ああこれで自分は引退なんだな』と27年間、背負ってきて荷物を下ろしてしまいました。背負い続けてきたからここまで来られたけど、一度下ろしてしまった。もう一度背負うにはその荷物はあまりにも重たすぎて、もう持ち上がらなかった」とらしくない本音も吐いた。

 

 しかし、これが引退ということだ。折茂がこの引退会見で発した一つ一つの言葉は、まるで27年分の思いを一つずつ並べていくかのようにさえ聞こえた。

 

 最後に支えてくれた全ての方々へ向けて折茂は「本来はみなさんの前で感謝の意を申し上げたかった。まずは、こんな状況になってしまったことをお詫び申し上げます。27年間という長い長いプレーヤーとしての時間を応援していただき、支えていただき、本当にありがとうございました。ここで感謝の言葉を述べたらあと1時間くらい必要になってしまうと思う。本当に北海道に来て良かったと思います。ただ一つ後悔がないと思っているのは北海道に来たこと。みなさんが応援してくれたおかげで、充実したバスケ人生を送ることができました。昨季は各クラブのブースターさんにも会場に行った際にご声援いただき、本当にうれしかったですし、バスケットを続けてきて良かったなと思いました。最後に折茂武彦に関わってくれた全ての方に『ありがとう』という言葉をお伝えし、引退というものを受け止めたいと思います。今後とも、レバンガ北海道を応援していただき、Bリーグを、日本バスケットボール界を応援していただければと思います。本当に長い間、ありがとうございました」

 

 これにて会見は終了と思われたとき、折茂が司会の言葉を遮った。「最後にレバンガ北海道のブースターの皆様にお願いが一つだけあります」

 

 お願い…。

 

 

「桜井良太のことです。彼は昨季、あまり良い状況ではなく、なかなかチームにも貢献できなくて、僕自身も、もしかしたら桜井が引退しちゃうのかなと思った時期もありました。彼とは15年プレーしていつでもそばにいる、支えてもらっている存在です。たくさん僕のことを応援してくれたように、桜井を応援してあげてほしい、必要としてあげてほしいです。彼はまだまだできる、活躍してくれると僕は思っているので、僕以上にたくさんの応援してもらいたいです。彼はみなさんから必要としてもらえれば、きっとその期待に応えてくれます。みなさん、ぜひ桜井良太を最後の最後まで応援してあげてください。それが僕のたった一つのお願いです」

 

 自身の引退会見を盟友・桜井のための言葉で締めくくった折茂の表情は、全てを出し切った、やり切った男の表情だった。

 

(月刊バスケットボール)


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