月刊バスケットボール5月号

技術&戦術

2021.11.08

【インタビュー】藤田 将弘氏(日体大男子監督)が語る 「リバウンド後にどうやって攻撃に移っていくのか」①

 現役時代はトップチームでプレーし、その後もヘッドコーチを務め、現在は大学を指導する藤田氏。「コートの大きさ(スペーシング)によってディフェンスも変わってくるので、その部分を理解して攻撃につなげられるかがポイントになる」(藤田氏)。トランジションを意識しながらオフェンスしていくのは現在の潮流だが、その本質を見抜いてプレーしているチームは少ない。コーチだけでなく、選手にも知ってほしいこと、練習方法などを聞いてみた。

 

藤田将弘氏インタビュー①
【極端な例で言えば、ハーフコートにオフェンスとディフェンスが100人ずつの場合、ディフェンスの方が有利】

 

――藤田監督はトランジション(攻防の切り替え)をどのように考えていますか? 「トランジションというものを時間と場所で、すべきこと、効率というものを考える必要があります。時間というものは流れていきます。バスケットボールでは24秒で攻撃しなければなりません。しかし、オフェンスのスタート位置とボールを運んでいく中で攻撃できるコートの面積が変わってきます。簡単に言えば、フルコートからハーフコートになって、元に戻ることはできません。そこで効率良く攻撃することやフロアバランスなどが重要になってくると思います」

 

――その中にさまざまなオフェンスがあるということですか? 「そうですね。その中に規則性を持ったモーションオフェンスがあったり、セットプレーなどがあったりします。バスケットボールはいろいろ考えて攻撃を組み立てることができますが、それは1つだけではないのです。当然、時間と得点差などを考慮する必要はありますが」

 

――時間が進んでいく中で、どうやって攻撃していくのかが重要になってきます。 「ディフェンスからオフェンスという切り替えがあり、そこからオフェンスの時間が始まります。その部分を整理して考えるとスムーズになっていくはずです。

 ファストブレイクだったり、場合によってはオフェンスの方が多いアウトナンバーができないこともあったりします」

 

――普通は、まずファストブレイクを狙いますよね? 「プレーヤーはどうやって攻撃するのかを判断する必要があります。バスケットボールでは、ハーフコートでオフェンスとディフェンスが1対1の状況であれば、オフェンス側の方が有利です。しかし極端な例で言えば、ハーフコートにオフェンスとディフェンスが100人ずつの場合、ディフェンスの方が有利なのです。そこにはオフェンスが攻撃するスペースがないから、ということです。

 ということは、5人で攻撃しながらボールを前に進ませることで、1対1ができる状況になるのであればパスをするべき、という考え方になります。5対5の状況だからファストブレイクが出ない、アウトナンバーが作れないということが一概には言えないわけです」 ※②へ続く

 

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(月刊バスケットボール)



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