月刊バスケットボール6月号

技術&戦術

2021.08.09

【インタビュー】池内 泰明氏(拓殖大男子監督)が語る 「“ちょっとしたことで変わる”シュートの微調整」とは?②

 現役時代はシューターとして日本のトップに君臨し、また指導者としてこれまで数々のシューター育てた池内氏。「シュートを教わってくる選手が少ない」と、自らYouTubeでは「シュート専門チャンネル(池内泰明シューティング・ラボ)」も発信するなど、シュートに大きなこだわりを持ち、細部にわたって指導する。自分では気付くことができない僅かな修正でシュートは激変するという。コーチだけでなく、選手にも知ってほしいこと、練習方法などを聞いてみた。

 

「体幹を鍛えるとシュートの構えは安定する」と池内氏は言う

 

池内泰明氏インタビュー②
【シュートは思った以上にデリケートなスキルで、もっと神経質になるべき】
――シュートにはフォームが影響してきますが、先ほどの話にあった「体幹」はとても重要な要素になってきますか?
「体幹は必要になってきますね。あとは、上半身と下半身をつなぐ部分(腸腰筋)が重要です」

 

――そのような部分も含めて、ちょっとしたことでシュートは変わりますか? 今回のメインテーマですが。
「そのような要素はたくさんあります。今、拓大でやっているのは、チューブを使ってのハーフスクワットなどです。腸腰筋を意識することで、ボールをレシーブしたときの“構え”は格段に良くなりますね。試合後半になってきても、同じような姿勢でシュートすることができるのです」

 

――チューブで鍛えるというより、使う部位を意識することが大切なのでしょうか?
「そうですね。刺激を与えるということです。筋力トレーニングということではありません。男子強化試合のフランス戦で試合前に、センターのルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)などがそのような“意識”をメインにしたシュートのウォーミングアップをしていました(※映像はセミナー内で紹介)。
まるでダイナミックストレッチの延長のような感じをいろいろとやっていたのを覚えています」

 

――国際試合では試合前に多くの時間を割くことができます。しかし、中高生の試合前のウォーミングアップ時間は限られています。
「少しの時間でも、優先順位を決めてこのような“意識”をするウォーミングアップをしていくと良いでしょう。チューブを用いるかどうかは別にして、ボールを使わずに刺激を与えることはできるはずです。壁に手をついて軽くもも上げをするなど、良いシュートにつながる方法はいろいろあると思います。
シュートは思った以上にデリケートなスキルなので、神経質になるべきものです。あれだけ体を動かすウォーミングアップをするのに、シュートに関してはかなり雑な印象を受けますね」

 

――シュートが入らないときの傾向として、力が入っている以外にどのようなものがありますか?
「シュート時にボールをコントロールしなければなりません。急いでシュートをすると、それができない場合が多々あります。そのコンマ何秒をシュート動作で縮めるのではなく、その手前にあるリロケイトや構えなどで短縮していくように考えていくべきです。パッサーのパススピードもそうです。
準備をしていても、全てボールが来るわけではありません。仮にボールマンがドライブを始めても、一瞬、自分がキャッチ&シュートをしているイメージを持っておくことです」
※③に続く

 

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(月刊バスケットボール)



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