月刊バスケットボール5月号

技術&戦術

2021.05.26

【インタビュー】棟方 公寿氏(元羽田ヴィッキーズヘッドコーチ)が語る 「ピック&ロール(ボールマン)が飛躍的に上達する方法」とは?④

【スペシャルインタビュー④】

  ピック&ロールを武器に39歳までトヨタ自動車(現アルバルク東京)などのトップリーグでプレーした棟方公寿氏(元トヨタ自動車、元羽田ヴィッキーズヘッドコーチ)。ピック&ロールはカテゴリーや性別を問わず行われている2メンゲームだが、本来の目的やしっかりとしたスキルを持たないままプレーしている場合が多く見られる。そこで、棟方氏にピック&ロールが上達するためのポイント(ボールマン限定)などを聞いてみた。

 

棟方氏は「武器にしたいのであれば、覚悟を持って取り組んでほしい」と言う

  *棟方公寿氏インタビュー④

 

【覚悟を持って取り組まなければ、ピック&ロールは武器にならない!】

 

――NBAでもポイントガードだけでなく、得点をさせたいプレーヤーにピックスクリーンを仕掛けることが増えてきましたね。

「そうですね、私もガードにピックスクリーン…ということに固執したくありません。ポイントガードだけがピック&ロールをしていると、ディフェンス側にも対応策が簡単に出てきてしまうと思います。だからこそ、ほかのポジション(主にSGやSF)でもピック&ロールができて使えるようになれば、どこからでも攻撃することが可能になってくるはずです。

 ポイントガードだけがピック&ロールをすると、ポイントガードがボールを持っている時間が長くなってしまいます。ときにはパスをし、スペースを作り、ほかのプレーヤーが行う方がオフェンスの幅も広がると思います」

 

――どうしてもボールハンドリングやボールキープということを考えると、ガード陣がピック&ロールすることが多くなってしまうのではないでしょうか?

「ボールハンドリングやボールキープ、判断力という面を考慮すれば、上のカテゴリーに行くほどガード陣が多くなってきます。だからこそ、アンダーカテゴリーの段階から全プレーヤーが練習していくことが望ましいと思っています」

 

――ピック&ロールを行う上で、ポイントガードとほかのプレーヤーの違いはどこにあると思いますか?(特に中高生)

「PGとSGやSFの一番の違いは、スクリナーから離れてスペースが作れるか作れないかという部分です。“離れる”という少しの労力が足りないと思います。また、そこにはコートを俯瞰して見ることができなければなりません。ただ、これはコーチの究極の課題だと自分自身では感じていますが(笑)」

 

――前回のセミナーでも小宮氏が「俯瞰で見ることができるのが理想」と言っていましたが、なかなか難しいことだと思います。

「そのためには、ピック&ロールを2対2で繰り返して練習していく必要があると思います。形だけ覚えたら、すぐに5対5…これはありえません。余裕が生まれなければ、状況判断も難しいのです。

 指導者は徹底してやり抜く“覚悟”を持ってピック&ロールに取り組んでほしいですね。使うのであれば、どれだけ時間を割けるのかということも重要になってきます」

 

――中高生の試合で、ボールマンが困ったらピックスクリーンを呼ぶというシーンを頻繁に見ますが…。

「困ったら…ではないのです。困ったらピック&ロールという発想が、プレーを急いでしまうということにつながってくるのでしょう。余裕がないプレーヤーにスクリーンを仕掛けても成功するはずがありません。それでは自分の武器としてピック&ロールを使っているという状況になっていないのです。

 だからこそ、“覚悟”が必要になってきます。それを武器にするのであれば、コーチも含めて覚悟を持って取り組むべきです。まずは、ここから始まると思っています。覚悟がなければ時間の無駄なのです。それぐらいピック&ロールは奥が深いですし、価値のあるプレーだと考えています」

 

――一般的に、ピック&ロールを安易に取り組むことが多いように見えますが、いかがでしょうか?

「ピック&ロールはバスケットボールでカテゴリーを問わず主流になっていることは事実です。しかし、確率の高いシュートができる武器だと信じてしっかりと時間をかけて練習しなければ…主流だからといってやっているのであれば、どのチームも同じようにやっています。そこでコーチが妥協せず、練習に落とし込んでいき、武器にしていくべきプレーなのです。

“ボールマンが得点する”という根本的なものを身に付けず、小手先のピック&ロールにばかりに頼っていることが多いように感じます。ともかく、ピック&ロールはボールマンが得点を狙うため行うプレーだということを再認識してほしいと思っています」 ※終わり

 

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(月刊バスケットボール)



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