月刊バスケットボール5月号

技術&戦術

2020.11.01

ウインターカップ直前インタビューで井手口孝監督(福岡第一高)が語る“こだわり”の指導論とは?③

『井手口 孝氏がトランジションの“こだわり”などを伝授!』

 

指導現場の生の声を配信!

 

 さまざまなカテゴリーのコーチたちが練習やチーム作りのポイントなどをライブで解説。オンラインならではのメリットを生かしたコーチセミナー。直接、コーチたちに話を聞くことができる絶好のチャンス!!(※時間の都合により、無作為に抽出した質問のみ回答)

 

 第3回は井手口 孝氏(福岡第一高監督)が登場! 11月8日(日)20:00~ZOOMミーティンングによるオンラインセミナーを開催する。テーマは「トランジションの“こだわり”」や「ガード」について。井手口氏は“より速く”を追求するために、譲れない自身の考え方や福岡第一高の練習メニューの一部などを解説していく。

 

「内容を少しだけ公開します!!」

 

 

【スペシャルインタンビュー】

 12月に東京で開催されるウインターカップ。昨年は好ガードの河村勇輝(→東海大)を擁し、チャンピオンとなった福岡第一高(福岡)。3連覇を狙う同校を率いるのは、就任26年目の井手口孝監督である。

 そんな井手口監督の“こだわり”や“ガード”などについて話をうかがい、福岡第一高の強さの秘密をひも解いていきたい。

 

<②から続く>

『コート内に5人のセンターがいるよりも、5人のポイントガードの方が強い』

 

――試合中、シュートを決めた後、井手口監督は「ハリーバック!」と常に言っていますね?

「時間が止まっているときは別ですが、流れている状況では『ナイスシュート!』ではなく、『戻れ!』なのです。練習でも、ディフェンスのドリルをしたらブレイクに行って、ハリーバックするというところで1セットとなっています。プレーが片道で終わらないように、試合と同じイメージで日頃から練習しています。

 例えばハーフコートしか使えないときでも、ディフェンス練習をして終わりではなく、ディフェンスからブレイクを意識してセンターライン辺りまで走るというところまでの流れは大切ですね」

 

――福岡第一高には、これまでの話にも出てきましたが、並里選手や鵤選手、そして昨年の河村勇輝選手(東海大)など、素晴らしいポイントガードがたくさんいます。ガード育成のポイントは、どこにあると思いますか?

「“選手全員をポイントガードにしよう”と、練習していることかもしれません。コート内に5人のセンターがいるよりも、5人のポイントガードの方が強いのです。その中で、身長の差があって大きい選手から小さい選手までバランス良くいれば、一番強いと思っています。ですから、ミニバスでは全員にポイントガードさせてほしいですね。

 スキルだけでなく、全て理解してリードしていくというバスケットボールという競技の中におけるガードの立ち位置も含めてです。全員ができるということはないと思いますが。その資質が全員にあれば、これほど楽なことはありませんね(笑)」

 

――確かに、コート上の5人がポイントガードであれば、間違いなく強いですね。

「“今、何をやれば得点できる”ということを5人が考えられて、それが一致しいている…もちろん、誰かがリードしていくのですが、リードする間もなく全員が理解していれば、速くて正確になるはずです。そうなれば、サインを出さずに24秒を無駄なく使うことができるかもしれません。それこそ、“あうんの呼吸”です」

 

――井手口監督はスターター5人を1年間通してあまり変えません。これも“あうんの呼吸”と関係があるのでしょうか?

「1年間、スターター5人を固定するのは、“5人のハーモニー”を作りたいという思いからです。そこではポイントガードを頂点としたチームが出来上がるのです。今はポイントガードの選手もいれば、センターの選手もいます。以前は小さい選手が多かったので、5人ともポイントガードでした(笑)。今でこそ、ポジションや役割を当てはめていきますが、その根底は全員がポイントガードであってほしいと思っています」

④へ続く

 

*井手口氏インタビュー①

*井手口氏インタビュー②

 

『45分/¥1,000』の特別価格でご提供!

 

 今後もプロからミニバスまで、性別問わず幅広いカテゴリーのコーチが登場予定。

 

【プロフィール】
井手口 孝(いでぐち たかし)
福岡第一高監督/57歳/福岡県出身(西南学院高→日体大)

 大学卒業後、地元・福岡県の中村学園女高に赴任。その後、1994年から福岡第一高男子監督に就任し、チームを創部。98年にはインターハイ初出場を果たし、2004年にチームを日本一へと導いて全国強豪校へと押し上げた。“トランジション”への強いこだわりを持ち、コートの28mを使った速い展開を身上としている。また、OBの並里(琉球)や鵤(宇都宮)、河村(東海大)などの好ガードはトップリーグでも活躍。

 

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《受付を終了いたしました》

 

(月刊バスケットボール)



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