月刊バスケットボール5月号

技術&戦術

2020.10.30

ウインターカップ直前インタビューで井手口孝監督(福岡第一高)が語る“こだわり”の指導論とは?②

『井手口 孝氏がトランジションの“こだわり”などを伝授!』

 

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 さまざまなカテゴリーのコーチたちが練習やチーム作りのポイントなどをライブで解説。オンラインならではのメリットを生かしたコーチセミナー。直接、コーチたちに話を聞くことができる絶好のチャンス!!(※時間の都合により、無作為に抽出した質問のみ回答)

 

 第3回は井手口 孝氏(福岡第一高監督)が登場! 11月8日(日)20:00~ZOOMミーティンングによるオンラインセミナーを開催する。テーマは「トランジションの“こだわり”」や「ガード」について。井手口氏は“より速く”を追求するために、譲れない自身の考え方や福岡第一高の練習メニューの一部などを解説していく。

 

「内容を少しだけ公開します!!」

 

 

【スペシャルインタンビュー】

 12月に東京で開催されるウインターカップ。昨年は好ガードの河村勇輝(→東海大)を擁し、チャンピオンとなった福岡第一高(福岡)。3連覇を狙う同校を率いるのは、就任26年目の井手口孝監督である。

 そんな井手口監督の“こだわり”や“ガード”などについて話をうかがい、福岡第一高の強さの秘密をひも解いていきたい。

 

<①からへ続く>

 

『私はコート全体を使った“28m”でバスケットボールを考えたい』

 

――以前と比べて、ミニバスや中学、U15の指導者が『速いパス、強いドリブル』を意識して練習しているように感じますか?

「なぜ、速いパスや強いドリブルが必要なのかを理解していないと思います。それでも、身体の近くで行ったり1対1やピックなどで使ったりするドリブルは非常に上手なのですが、5人を抜いてくるようなドリブルやスピード、5人の中での速い、強いパスなどを意識したものではないような気がしますね。

 私はバスケットボールを“28m(コートの縦の長さ)”で考えているので、28mのパスやドリブルというものを意識して練習しています」

 

――これまでの福岡第一高の歴代ガードで、パスに関して特徴的だった選手を教えてください。

「鵤 誠司(2011年卒業/宇都宮ブレックス)は類まれなチェストパッサーでした。並里 成(07年卒業/琉球ゴールデンキングス)はそれをワンハンドでやっていたので、よりプレーの幅がありましたね。Bリーグではトランジションの場面がどうしても少なくなるので、そのようなパスのシーンはあまり見かけませんが」

 

――“28m”を具体的にどのようなスキルに落とし込んでいくのでしょうか?

「センターラインを境にした4m(前後各2m)をいかに速く駆け抜け、そして戻るのかを常に言っています。その場所に時間をかけないようにしたいのです。そして、福岡第一に来た選手には『エンドラインからエンドラインまでチェストパスで飛ばせるようになりなさい』『エンドラインからエンドラインまでドリブル3回ぐらいで行けるようになりなさい』とも言っています。当然、このようなことを練習メニューにも入れています」

 

【※参考】練習動画(月刊バスケットボールYouTube)

 

――だからこそ、トランジションの速さにもこだわるのですね?

「特に、シュートを決められた後はレフェリーがワンタッチしないので、とにかく速くトランジションをしたいのですね。ホイッスルが鳴ってレフェリーがボールを渡す状況でさえ、レフェリーより速くその場所に行ってボールを催促するような感じです(笑)。

 トランジションというものは、ディフェンスから速攻だけではありません。得点された後のスローインからでもできるのです」

 

――大会を勝ち上がっていくと、相手の隙も徐々に少なくなってきますが、その部分はどのように捉えていますか?

「それでも絶対に隙はありますよ。その1点で勝敗が決まるのです。ずっと試合が拮抗していて、ふとした瞬間だと思います。走られたり、破られたり、リバウンドを取られたり…もちろん、自分たちにもあるのですが…」

③へ続く

 

*井手口氏インタビュー①

 

 ほかにもオフェンスの隙を突くようなディフェンス練習など、高校ナンバーワンチームの練習を紹介!

 

 

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 今後もプロからミニバスまで、性別問わず幅広いカテゴリーのコーチが登場予定。

 

【プロフィール】
井手口 孝(いでぐち たかし)
福岡第一高監督/57歳/福岡県出身(西南学院高→日体大)

 大学卒業後、地元・福岡県の中村学園女高に赴任。その後、1994年から福岡第一高男子監督に就任し、チームを創部。98年にはインターハイ初出場を果たし、2004年にチームを日本一へと導いて全国強豪校へと押し上げた。“トランジション”への強いこだわりを持ち、コートの28mを使った速い展開を身上としている。また、OBの並里(琉球)や鵤(宇都宮)、河村(東海大)などの好ガードはトップリーグでも活躍。

 

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《受付を終了いたしました》

 

(月刊バスケットボール)



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