月刊バスケットボール5月号

【短期連載】コーチK/倉石平のアメリカ紀行(5)

グリズリーズ@レイカーズの試合後   【12月27日】 朝から全く拘束されることはないので、勝手にアレンジしてしまう。ゆっくり起床すると、そして同行している和宏(木村/桐蔭横浜大監督)が部屋に来たので、この後の予定を決める。アウトレットに行き、その後直接レイカーズの観戦に行くということになった。   アウトレットは、日本とは大きく異なり、70%以上のディスカウントが当たり前。だが、ここもあまり面白みがあるわけではない。朝は少しの混み、その後は徐々に客足が多くなり、各店舗に入るための列を作り、混雑が絶好調になる感じだ。それでもお土産を検討した。17:00過ぎには、各店舗に長蛇の列が完成。アウトレットとは思えない状況。各種アウトレットがあるものの、ディスカウント率の高いところが人気だ。   バスケットボールに話を戻そう。 昨日のグリズリーズ@サンズのゲーム。残り0.6秒時点でのプレーには注目だ。サイドからのインバウンズで、リングに直接入るようなパスを出し、それをタイソン・チャンドラーが直接ダンクしてカウント。NBAはリング上に手を入れてはいけなかったと思っていたが、インバウンズ時のみ、リング上でもボールに触れて良いとのこと。よく考えれば、誰かが触らなければ得点にならないどころか、インプレーにならない。サンズのコーチは、このプレーをプレシーズンからレフェリー数人に聞いていたらしい。正に、奇跡的なプレーだった。“伝家の宝刀”を使ったので、「これで、もうみんなに知れ渡った」と、コーチは残念がっていたが、これでサンズは勝利を得た(※詳しくは『月バスSet Play of the Week』を参照)。  

先日、永久欠番となったコービ・ブライアントの「8」「24」が真新しい   レイカーズはグリズリーズとの対戦となったが、グリズリーズは“悪夢”の翌日のゲーム。最初は非常に重い展開だったが、徐々にすごさを発揮。レイカーズはボールがいないため、若干さびしい感じだ。しかし、今日からブランドン・イングラムが出場したため、チームとしては非常に良かった。レイカーズはトランジションゲームをしたいのだと思う。80年代に強かった頃の“カリフォルニアエキスプレス”を再現したいらしい。随所に素晴らしい速さを見せ付けてくれたが、いかんせんディフェンスが悪すぎる。いずれにしろ、この両者はプレーオフは無理だと思われる。   最終日、アウトレットに行って終了。12月30日に帰国した。 (おわり)   (月刊バスケットボール)

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