その他の海外

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2021/08/12

NCAAファイナルフォートーク - バスケの熱狂から差別のない社会を作りだせ

「最初に相談を受けたのは2020年9-10月頃。背景は社会的不正が目に見えて問題化したことでした。ジョージ・フロイドさん殺害の一件などから、我々のプラットフォームで人種的正統性の保たれた将来(racially just future)を目指し前進するために何かをしたいと思いました。プレーヤーやコーチなどスポーツの指導的な立場にある人々は、それができる地位にあります。我々は組織内にチームを立ち上げ、目的にかなうスピーカーを集めることにしました」(バット)

 

インディアナポリスで2021年の全米チャンピオンになったベイラー大学のプレーヤーたちが撮影した記念写真。背景の建物には今年のNCAAトーナメント男子大会のブラケットのダイナミックなプレゼンテーションが見える(写真/©NCAA Final Four Talks)

 

アメリカの社会的不正は国内問題の域を超えている


 ミネソタ州ミネアポリスで、白人警察官が黒人市民を残虐な方法で、しかもスマホの動画機能で撮影されているのを承知で殺害するというショッキングな出来事だったジョージ・フロイド氏殺害事件。この悲劇を含め、アメリカでは社会的不正の存在をあらためて世間に強く印象付ける事件が、2020年にいくつも発生した。


 構造的人種差別(systemic racism)の犠牲者は、アフリカ系市民だけではない。パンデミック下の昨今は、新型コロナウイルスが中国由来とされることから、国籍とは無関係に、日本人を含むアジア系人種を狙う卑劣かつ残虐極まりないヘイトクライムもたびたび報告されている。


 性差や性的指向、身体的特徴に起因する偏見や差別も大きな問題だ。身近なところでは、男女NCAAトーナメントの開催地に顕在した待遇差をNBAスターのステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ナターシャ・クラウド(WNBAワシントン・ミスティクス)ら有力プレーヤーが問題視し、女子バスケットボール・チームの支援に乗り出した例もある。


 こうした問題意識の中、バーチャルで行われたファイナルフォートークへの反響は大きく、バットはさまざまなテーマについての問題提起を可能にするスピーカーの協力を得ることができた。「バスケットボールは世界的に盛んですし、一方でアメリカが今抱えている問題は国内だけの問題ではありません。日本からは梶川さんが力を貸してくれました。カナダからは車いすバスケットボールの著名なプレーヤーで、過去にパラリンピックで3つの金メダルを獲得し、今夏の東京2020パラリンピックにも出場予定のパトリック・アンダーソンさん。アメリカからは人権活動家のリチャード・ラプチック博士ら、複数の協力者がありました。ラプチック博士は、かつてニューヨーク・ニックスのコーチだったジョー・ラプチックさんのご子息です。NABC(National Association of Basketball Coaches=全米バスケットボールコーチ協会)の幹部を務めるクレイグ・ロビンソンさんにも参加してもらえました。この方はミシェル・オバマさんの親戚の方なんですよ」

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