NBA

2021.03.07

2021NBAオールスター・ゲームが提示する斬新なコミュニティー支援手法

☆NBAオールスター・ゲームによる社会的支援の内訳

・チーム・レブロンが勝ち得たチャリティー基金はTMCFに、チーム・デュラントのそれはUNCFに贈られる。
・TMCFとUNCFはどちらも、試合開始前の段階で500,000ドルずつの寄付を受け取る。試合の最初の3クォーターでそれぞれ勝った方のチームが支援する団体に150,000ドルずつ(合計450,000ドル)が贈られ、最終的に試合に勝った方の団体はさらに300,000ドルを受け取る。その総額は1,750,000ドルとなる。


例)試合前段階で両団体に500,000ドルずつ寄付(合計1,000,000ドル)
第1Qチーム・レブロン勝利→TMCFに150,000ドル寄付(合計1,150,000ドル)
第2Qチーム・デュラント勝利→UNCFに150,000ドル寄付(合計1,300,000ドル)
第3Qチーム・レブロン勝利→TMCFに150,000ドル寄付(合計1,450,000ドル)
試合にチーム・デュラント勝利→UNCFに300,000ドル(合計1,750,000ドル)

 このケースならばTMCFに800,000ドル、UNCFに950,000ドルが寄付されることになる。

 

 NBAオールスター・ゲームと当日のその他のイベントに出場するプレーヤーの顔ぶれは、故障などのため当初の発表内容から若干の変更が出ている。3月5日に行われたドラフトとその後の故障欠場対応後の最終的なロスターは以下のとおりだ。

 

チーム・レブロン
スターター: レブロン・ジェームス(ロサンジェルス・レイカーズ/選出17回目)、ヤニス・アデトクンポ(ミルウォーキーバックス/選出5回目)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ/選出7回目)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス/選出2回目)、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/選出3回目)

リザーブ: ディミアン・リラード (ポートランド・ブレイザーズ/選出6回目)、ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/選出3回目)、クリス・ポール(フェニックス・サンズ /選出11回目)、ジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス/初選出)、ポール・ジョージ(ロサンジェルス・クリッパーズ/選出7回目)、ドマンタス・サボニス(インディアナ・ペイサーズ/選出2回目)、ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ/選出2回目)
※サボニスはケビン・デュラント(ネッツ/選出11回目)に代わる選出

 

チーム・デュラント
スターター: カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ/選出7回目)、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/選出4回目)、カワイ・レナード(ロサンジェルス・クリッパーズ/選出5回目)、ブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ/選出3回目)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス /選出2回目)
※テイタムはキャプテンのデュラントが故障欠場のためリザーブからスターター入り

リザーブ: ジェームス・ハーデン(ブルックリン・ネッツ/選出9回目)、マイク・コンリー(ユタ・ジャズ/初選出)、ザイオン・ウィリアムソン(ニューオリンズ・ペリカンズ/初選出)、ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ/初選出)、ジュリアス・ランドル(ニューヨーク・ニックス/初選出)、ニコラ・ブチェビッチ(オーランド・マジック/選出2回目)、ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ/選出2回目)
※コンリーは故障欠場のアンソニー・デイビス(ロサンジェルス・レイカーズ)に代わって選出されたデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)も故障欠場となったことにより出場決定


☆AT&Tスラムダンク


・出場する3人のパフォーマーたちは、それぞれがパンデミックによる悪影響と直面している特定のHBCUと紐づけられている。
・それぞれパフォーマーが代表するHBCUは50,000ドルの寄付を得、優勝したパフォーマーのHBCUにはさらに100,000ドルが贈られる。
・AT&Tは上記と別に100,000ドルを用意し、優勝者が代表するHBCGに40,000ドル、それ以外の2人に紐づくHBCUに30,000ドルずつを寄付する。

 

 AT&TはNBAオールスター・ゲームの試合中のすべてのダンク1本につき5,000ドルの寄付を、TMCFを介して行う(この企画には英語の“Five Grand(5,000ドル)”と通信業界用語の“5G”とをかけ、「5G」というタイトルが付けられている)。

 

出場プレーヤー: アンファニー・サイモンズ(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、キャシアス・スタンリー(インディアナ・ペイサーズ)、オビ・トッピン(ニューヨーク・ニックス)

 

☆TACO BELL® スキルズチャレンジ

 ドリブル、パス、ショットのテクニックを競う6人のプレーヤーは特定州のHBCUとその学生を代表して競争する。イベント開始時点でそれぞれが35,000ドルを与えられる。優勝者はさらに40,000ドルの支援基金を与えられる。

 

出場プレーヤー: ロバート・コビントン(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、クリス・ポール(フェニックス・サンズ)、ジュリアス・ランドル(ニューヨーク・ニックス)、ドマンタス・サボニス(インディアナ・ペイサーズ)、ニコラ・ブチェビッチ(オーランド・マジック)

 

☆MTN DEW® 3ポイントコンテスト

 マネーボール(通常のボールが1点なのに対し2点を得られるカラーボール)でショットが成功するたびに3,500ドルの寄付が行われる。“MTN DEW® Zone”として従来の5つのスポットと別に設定されたディープスリーエリア(従来の3Pラインから6フィート後方で、成功すると3得点)からのショットは1本あたり5,000ドルの寄付につながる。これらの寄付はマウンテンデューからダイレクトリリーフの公正医療基金を介して、パンデミック対応で資金不足に陥っている全米のコミュニティーに対して行われる。マウンテンデューはこれと別に、100,000ドルを用意し、ペプシコと提携しているHBCUから2人の学生に対しMTN DEW® All-Star Scholarshipsというタイトルで奨学金を提供する。

 

出場プレーヤー: マイク・コンリー(ユタ・ジャズ)、ジェイレン・ブラウン(ボストン・セルティックス)ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)、ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)

※コンリーは故障欠場のデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)に代わる出場

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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