月刊バスケットボール8月号

NBA

2020.06.30

NBAとNBPA間で2019-20シーズン再開への包括的プランが完成

 6月26日(日本時間27日)、NBAとNBPA (NBA選手会)は、7月30日(同31日)からの2019-20シーズンの再開に向けた包括的プランが完成したことを発表した。このプランには厳格な健康・安全プロトコルや、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内の22チームによるシーズン再開、人種差別との闘いや社会正義促進のための集団的行動の目標などが含まれている。

 

 なお、シーズンの残り試合はプレーオフも含めて全試合無観客で行なわれ、その全てをESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックスのアリーナ、フィールドハウス、ビザ・アスレティック・センターで開催することで合意した。

 

 NBAとNBPAは、シーズン再開を管理する健康・安全プロトコルに関する取り決めにも合意。公衆衛生のエキスパートや感染症の専門家、政府当局と相談の上、新型コロナウイルスに関連するリスクに対応し、選手、コーチ、オフィシャル、スタッフの健康に焦点を当てた厳格なプログラムが策定される。

 

 また、NBAとNBPAはシーズン再開の目標が、「米国内に広がる人種的不平等の問題を解決するための明確かつ持続可能な手段を見付けること」にあることで大筋合意。

 

 アダム・シルバーNBAコミッショナーは「我々は選手会と協議し、健康と安全を最優先しつつ、競技の公正性を保ち、社会正義の問題を解決するためのプラットフォームを提供する再開プランの策定に取り組んできました」と述べ、続けて「我々は、長年の協力者であるディズニー社がホストとなることでこの再開を可能としてくれたことに感謝しております。また、包括的な医療プロトコルと保護の作成を支援してくれた公衆衛生当局や感染症専門家にも感謝いたします」とシーズン再開への感謝を述べた。

 

ディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツのチェアマンを務めるジョシュ・ダマロは「NBAがシーズンを再開させる唯一の場所として、ESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックスを提供できることを、我々はうれしく思っています」と述べ、続けて「プロバスケットボールの喜ばしい再開に準備する選手、コーチ、スタッフの皆さんを、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートに歓迎できるのを楽しみにしております」と語った。

 

 参加する22チームは、現在の勝率で各カンファレンスの上位8チームずつと、8位チームに6ゲーム差以内の6チームを合わせた計22チーム。

 

 ※参加チームは以下を参照

イースタンカンファレンス

  • ミルウォーキー・バックス
  • トロント・ラプターズ
  • ボストン・セルティックス
  • マイアミ・ヒート
  • インディアナ・ペイサーズ
  • フィラデルフィア・セブンティシクサーズ
  • ブルックリン・ネッツ
  • オーランド・マジック
  • ワシントン・ウィザーズ

 

ウェスタンカンファレンス

  • ロサンゼルス・レイカーズ
  • ロサンゼルス・クリッパーズ
  • デンバー・ナゲッツ
  • ユタ・ジャズ
  • オクラホマシティ・サンダー
  • ヒューストン・ロケッツ
  • ダラス・マーベリックス
  • メンフィス・グリズリーズ
  • ポートランド・トレイルブレイザーズ
  • ニューオリンズ・ペリカンズ
  • サクラメント・キングス
  • サンアントニオ・スパーズ
  • フェニックス・サンズ

 

 各チームはまず、レギュラーシーズンの残り試合から選出される「シーディングゲーム」(順位決定戦)を8試合行い、シーディングゲーム終了後、レギュラーシーズンとシーディングゲームを合計した勝率で各カンファレンスの上位7チームずつがプレーオフに進出。

 

 8位チームが9位チームに4ゲーム以上の差をつけていた場合、そのチームが第8シードとしてプレイーオフに進出。8位チームと9位チームが4ゲーム差以内だった場合、該当の2チームによるプレイイン・トーナメント(プレイオフ出場決定戦)が開催され、8位チームは1勝、9位チームは2勝することでプレイオフ進出となる。

 

 また、勝率が並んだ場合は、NBAの通常のタイブレーカー方式が採用される。プレーオフに関しては通常どおりの4戦先勝(最大で7試合)方式が採用され、NBAファイナルが仮に最終第7戦まで突入した場合は、10月13日(同14日)がシーズン最終戦となる。

 

 人種差別問題に揺れる昨今の世界情勢ではあるが、NBAのシーズン再開を待ちわびた選手やファンは多い。どういう形でシーズン閉幕を迎えたとしても、この決断はNBAの歴史においても大きな意味を持つことになるはずだ。

 

(月刊バスケットボール)



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