月刊バスケットボール5月号

バスケ男子日本代表、対イラン第2戦黒星に見る光

 男子イラン代表を迎えて開催されているバスケットボール男子日本代表の国際強化試合『バスケットボール男子日本代表国際強化試合2021(宮城大会/岩手大会) International Basketball Games 2021 in MIYAGI / IWATE 東日本大震災 10 周年復興支援大会』は、6月25日に岩手県奥州市で第2戦を開催。FIBA世界ランキング42位の日本は、同23位と格上のイランに対し粘りを見せたが、初戦に続く勝利はならず67-72で敗れた。

 

ベンドラメ礼生の緊迫感に満ちたプレーが、後半の日本をけん引した(写真/©JBA)

 

コンディションの上がったイランに善戦及ばず

 

 東京オリンピックに向けた代表選考の最終段階を迎えている日本は、初戦のメンバーからシューターの金丸晃輔(シーホース三河)、プレーメイカーの安藤誓哉(アルバルク東京)、そして竹内譲次(アルバルク東京)を外してこの試合に臨んだ。替わってそれぞれの役割に登録されたのは辻直人(川崎ブレイブサンダース)、富樫勇樹(千葉ジェッツ)、竹内公輔(宇都宮ブレックス)の3人。また、帰化枠に関してはこの日もローカルルール。エドワーズ ギャビン(千葉ジェッツ)とロシター ライアン(宇都宮ブレックス)の二人がいずれもベンチ入りしていた。
対するイランは、時差にも慣れコンディションが整ってきた状態。この試合では初戦以上に攻守ともプレーの強度が明らかに上昇し、日本は特に前半、望ましいオフェンスを展開できず先行を許す時間が長くなり、最大で13点ビハインドとなった。
サイズのアドバンテージを使ってインサイドで得点を重ねるイランに対し、日本は3Pショットを武器にしたいところ。しかし前半は10本のアテンプトがすべてミスに終わる。それでも田中大貴(アルバルク東京)のドライブやミドルショット、エドワーズのペイントでの奮闘を中心にオフェンスを展開。前半はこの二人が20得点を記録(エドワーズが12得点、田中が8得点)し、守ってはロシターがたびたび好カバーを見せたほか、コートに立った各プレーヤーが活発なハンドワーク、フットワークでイランにプレッシャーをかけ続け30-33と善戦した。

 

 後半早々、日本はそれまで無得点だった比江島 慎(宇都宮ブレックス)が持ち味の巧みなドリブルドライブからフリースローを得ての初得点で先制。以降離されず接戦に持ち込む。
前半は3Pショット3本をすべて外していた安藤周人(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)も、後半は逆に3本がすべて成功。第4Qには自らのスティールから速攻で豪快にスラムダンクを決めるなど、チームに勢いをもたらす活躍を見せた。
ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)の攻守両面における好プレーも光った。緊迫した展開が続いた第3Qには、この試合でチーム初となる3Pショット成功を含め一人で7連続得点。それまでどこか受け身に立たされたような印象だったバックコートを、ベンドラメのプレーが引き締めた。この貢献がなければ、イランを相手に接戦を継続できたかはわからない。

 

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