月刊バスケットボール8月号

Bリーグ

2020.07.30

新たなロゴを胸に新シーズンに臨む川崎ブレイブサンダース

 ユニフォームとはクラブの特徴や個性を表すものであり、毎シーズン各クラブがそのシーズンのテーマや目標、所属する地域の土地柄などからインスパイアされたデザインのユニフォームを身にまとう。

 

 昨季B1中地区を圧倒的な勝率で制した川崎ブレイブサンダースは並々ならぬ闘志を秘めて来る2020-21シーズンに備えている。そんな川崎の新ユニフォームの胸にはこれまでの『TOSHIBA』のロゴマークではなく、見慣れない『Mitutoyo』というロゴマークが掲出されている。「胸のユニフォームは本当に特別なものです。クラブの考えるビジョンに共感していただき、ともにチャレンジをしていく企業」と川崎の元沢伸夫代表取締役社長。ユニフォームのフロントロゴは会場のファンからも、中継からも最も目立つものであり、それを変更することは言わばチームの雰囲気を変えることにもなるだけに、大きな決断であったことだろう。

 

ミツトヨと共に新たなステップへ

 

 新たにフロントロゴを掲出する企業の名は株式会社ミツトヨ。川崎市溝の口に本社を構える精密測定機器メーカーで国内シェアは驚異の90%、業界世界シェアでも30%と、まさに川崎市から世界で戦っている企業だ。アジアNo.1クラブを目指し、地域貢献を活発に行っているクラブにとってはまさに最高のパートナーと言える。また、ミツトヨとは新設されたグローバルトップパートナー契約を結んでいる。これは「地元・川崎の子どもたちに、世界への視野を広げていきたい」という想い込められており、ロゴ掲出のほかにも多くの催しを計画中とのこと。

 

 ここに至るまでには昨季まで長らくトップパートナーとしてブレイブサンダースを支えてきた東芝の配慮もあったという。クラブがDeNA体制になって以降も『胸のロゴにふさわしい企業はそうそう見つからないから、それが見つかるまでは』と東芝がそのポジションを担い続けた。そんな中で「今回、東芝様にもミツトヨ様と巡り会えたことを報告すると本当に良かったと心底喜んでもらえました」と元沢社長を笑みを浮かべた。その笑顔は最高の形でバトンタッチをすることができた証しのように見えた。

 

 デザインは伝統のブレイブレッドとクラシックスタイルのデザインをベースにチームと地域・ファンが「サンダースファミリー」として一丸となって戦う姿を表現。サイドには無数の稲妻がデザインされており、遠目からはそれが一本の線のように見える。これには“一人一人が結束することで大きなエナジーが生まれ、それが力になる”という意味が込められている。

 

細部の細かなデザインも必見

 

 濃色のユニフォームで会見に登壇した篠山竜青は「世界で活躍しているミツトヨ様と一緒に戦っていけることに今からすごくワクワクしています。昨季まで長く歴史を築いてくださった東芝様もスポンサーとして一緒に戦ってくださるということで、さみしい気持ちもありますがこれからも一緒に歴史を刻んでいきたいです。僕の母校である日本大学様や川崎で活躍している企業などのたくさんの企業に支えられて戦えると思うと本当にワクワクしていますし、プレーで期待に応えられるように準備していきたい」と笑顔を見せた。

 

 

 一方、淡色のユニフォームをまとって登壇した熊谷尚也はデザインについて言及。「まずはこの状況下でユニフォームスポンサー枠が全て埋まることに感謝申し上げます。サイドの稲妻が一本の線になっているデザインのように川崎ブレイブサンダースに関わる全ての方々と一つになって、まずは日本一を目指し、そこからアジアに挑戦してそこでもチャンピオンになれるように戦ってきたいと思います」と決意を語った。

 

 

 元沢社長が「最強のチーム」と表現したスポンサー各社、そしてクラブを支えるファンと共に川崎ブレイブサンダースは2年がかりでの悲願のタイトル獲得を目指す。

 

左から篠山、ミツトヨ山口氏、元沢社長、熊谷

 

(月刊バスケットボール)



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