Bリーグ

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2021/02/10

ケイン・ロバーツ(東京Z) - BリーグからNCAAディビジョンIに飛び込むサムライの物語(1)

1月13日、アースフレンズ東京Zのガード、ケイン・ロバーツがNCAAディビジョンIのストーニー・ブルック大からオファーを受けたとの一報が入り、その12日後の25日には、早くもロバーツのバーバルコミットメント(口頭による進学意思表示)が明るみに出た。B2でベンチスタートの18歳。国内大会での華々しい成績など何もない。しかしそのスペックは、NCAAディビジョンIへの扉をこじ開けるのに足りるものだったのだ。
文/柴田 健(月バス.com) 協力/Kris Thiesen(Tokyo Samurai)、アースフレンズ東京Z

 

Bリーグデビューは2020年10月3日の対越谷アルファーズ戦。さっそく豪快なダンクも披露した(写真/©B.LEAGUE)

 

トウキョウサムライ - ロバーツの成長を後押しした

東京近郊最強のタレント・プールの存在

 

 現在18歳で、アースフレンズ東京Z(以下東京Z)のガードとして活躍しているロバーツのバスケットボールキャリアは、一般的な日本人の18歳がたどる道筋とは異なっている。ロバーツの成長に大きく寄与したのはいわゆる部活動などではなく、トウキョウサムライ(Tokyo Samurai)というAAUチームの存在。ロバーツが中学生年代から活動拠点としてきた組織だ。

 今回この組織でディレクター兼U18カテゴリーのヘッドコーチを務めているシーセン クリス マコト氏に話を聞くことができた。ロバーツの恩師にあたる人物といっていい。まずはシーセン氏とのQ&Aを通じてトウキョウサムライの背景とロバーツへの支援の経過をたどっていこう。

 

 「我々は2014年に立ち上がった組織で、アメリカ人コーチ、デイブ・テイラーが横田基地で行ったキャンプがその起源です。テイラー氏はアメリカで、『フェノム・イン・サンディエゴ(Phenom in San Diego)』というハイレベルなキャンプを運営しているコーチで、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)、スペンサー・ディンウィディー(インディアナ・ペイサーズ)、ジョーダン・クラークソン(ユタ・ジャズ)らを輩出しています。現在B2の愛媛オレンジバイキングスでプレーしているペリー・エリスもそうですね」(シーセン氏)

 

 テイラー氏は、カレッジバスケットボールのリクルーティングに関して有力者とされる“パンプ・ブラザーズ(デイナ・パンプとデイブ・パンプ)”が取り仕切る「ダブルパンプ」という団体にも関わっていたが、そこはポール・ジョージ(ロサンジェルス・クリッパーズ)、ジェームス・ハーデン(ブルックリン・ネッツ)、クレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ジュルー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)らを輩出したという。
 テイラー氏に乞われて、シーセン氏はまだ動き始めたばかりのトウキョウサムライの子どもたちを引き連れてカリフォルニア州アナハイムに行き、「ダブルパンプ・トーナメント」に参加した。アメリカ本土のAAUチーム相手にボロ負けを食らったが、新しい発見に満ちた経験に価値を見出したシーセン氏は、その後遠征規模を拡大しながら参戦を続けた。

 

 「立ち上げ当初の使命は、日本に住む海外からの居住者や米軍関係者の子どもたちを人目に触れる場所に送り出し、アメリカの大学で活躍できるような機会を作ることでした。アメリカにはどのディビジョンの大学でも、あるいは短大でも、プレップスクールでも、素晴らしいバスケットボールの機会がありますからね。今でもその使命感は変わらないのですが、加えて日本国内で同様の機会を作り日本代表やプロとしての活躍を目指せるようにすることも視野に入れています。今後は日本人にももっと関わってもらえるようにしたいと思っています」(シーセン氏)

 

 近年、東京近郊で最も深みのあるタレント・プールだと思われるトウキョウサムライ。その土台はこうして作られた。(パート2に続く


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