月刊バスケットボール8月号

Wリーグ

2020.12.20

自力に勝るトヨタ自動車が、勢いに乗る日立ハイテクを下す

 12月19日、国立代々木競技場第二体育館で開催された皇后杯ファイナルラウンド準決勝第2試合は、トヨタ自動車 vs. 日立ハイテクの顔合わせ。今シーズンのWリーグは東西リーグ制を敷いているため初の対戦となり、前半戦西地区首位のトヨタ自動車に、東地区3位ながら、かつて日本代表、そしてENEOSを率いた内海知秀ヘッドコーチの下、初のベスト4入りを果たした日立ハイテクが挑む構図となった。

 

両チーム最多の28得点を記録した谷村(日立ハイテク)

 

 序盤は互角の展開も、ディフェンスからリズムをつかんだトヨタ自動車が一時優位に立つ。一方の日立ハイテクは何度も離されかけるものの、インサイドでは谷村里佳が踏ん張りを見せ、アウトサイドからは星香那恵が得点を重ねて巻き返し、35-37とワンゴールのビハインドで勝負を後半に持ち込んだ。

 後半に入り、一時は日立ハイテクがリードを奪う。しかし、再び逆転したトヨタ自動車が引き離しにかかり、馬瓜エブリンのシュートが決まると48-57と差を9点に広げた。それでも日立ハイテクは粘りを見せ、北村悠貴、谷村が得点を返し52-57で最終クォーターを迎えた。攻防に激しいやり合いが続く両チームだが、残り6:13で谷村とともにインサイドを支える鈴木知佳が無念のファウルアウト。それでも星のドライブ、谷村がゴール下を決め61-63とワンゴール差まで詰める。

 ここから自力を発揮したのがトヨタ自動車。馬瓜エブリン、長岡萌映子らがしっかりとシュートを沈め、勝負どころを支配する。日立ハイテクも食い下がるものの力及ばず、トヨタ自動車が78-67で勝利を手にした。

 

19得点、9リバウンドとチームをリードした馬瓜エブリン(トヨタ自動車)

 

 トヨタ自動車のルーカス・モンデーロHCは「前半、相手のファストブレイクを止めることができませんでした。後半は相手の1番(星)をフェイストゥフェイスで守り、ブレイクを止めることができました。また、マンツーマンとゾーンを併用することで、相手のリズムを止めようとしました」と語る。一方、日立ハイテクの内海HCは「(24本ものオフェンスリバウンドを取られ)あれだけリバウンドを取られるとは」と悔やんだが、「速攻が出せるようになり、体の強さも増した」と佐藤奈々美、曽我部奈央の主力二人を欠きながらの善戦に、リーグ後半戦へ向けて、手ごたえをつかんだようだった。この日、両チーム最多の28得点を挙げた谷村も「練習はハードですが、内海さんのバスケットをやっていくには、それだけの体力が必要ですし、それが通用することも分かりました」とWリーグ後半戦への期待を口にした。

 ENEOS vs. トヨタ自動車の皇后杯ファイナルは、20日(日)15:00より代々木競技場第2体育館で開催される。

 

<準決勝結果>

ENEOSサンフラワーズ 78 -62 デンソー アイリス

トヨタ自動車 アンテロープス78-67 日立ハイテク クーガーズ

 

(月刊バスケットボール)



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