月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2021.05.08

琉球ゴールデンキングスが沖縄アリーナで初勝利

第3Qの要所で重要な仕事をした石崎(写真/B.LEAGUE)

 

 今年4月にオープンした沖縄アリーナで、琉球ゴールデンキングスがレギュラーシーズン最終シリーズとなる京都ハンナリーズとの2連戦を迎え、5月8日のGAME1で78-73の勝利を手にした。琉球にとって沖縄アリーナでの初勝利だった。
琉球は開始早々のオフェンスで並里 成からのドライブ&キックを左コーナーで受けた牧 隼利がロングツーを沈めて先制。京都も満田丈太郎の3Pショットで応戦したが、琉球は田代直希の巧みなステップからのドライブ、ドウェイン・エバンスのステップスルーからのレイアップなどで得点を重ねるとともに、ジャック・クーリーが攻守両面で体を張ったゴール下の奮闘を見せ、優位に試合を運んだ。
対する京都も寺嶋 良のドライブやアウトサイドからの得点で反撃。琉球は岸本隆一が3Pショットにドライブにとアグレッシブに攻め、並里もドライブから田代、キム・ティリらをおぜん立てするなど両チームはほぼ互角の展開を見せる。前半は40-36の琉球4点リードで折り返した。
第3Qが始まると、キングスはディフェンスのインテンシティーを一段高め、開始から約3分間にわたって京都をデイヴィッド・サイモンのフリースローによる1得点のみに抑えることに成功。オフェンスでも石崎 巧がユーロステップからのレイアップと3Pショットによる5得点に加え、エバンスのダンクにつながるアリウープ・パスなど見せ場を作った。しかし一方でファウルがかさみ、クォーターの終盤にかけて得点を伸ばすことができず流れは徐々に京都に傾いた。第3Q終了時点では、スコアボードは56-54の京都リードに変わっていた。
第4Q、65-65の同点で迎えた残り5分過ぎに勝負の分かれ目となるプレーがあった。琉球は失いかけたボールを満原優樹が好判断で自チームのサイドライン・インバウンズプレーにすると、ショットクロック残り1.7秒から始まったプレーで、エバンスのショットが外れたところをしぶとくクーリーがプットバック。2得点とともに、このプレーで細川一輝がファウルを吹かれ、クーリーはアンドワンのフリースローも成功させスコアを68-65とした。これ以降京都はリードを奪い返すことができなかった。

 

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京都のディヴィッド・サイモンはこの日20得点と奮闘したが及ばず(写真/B.LEAGUE)


残り時間34.8秒でも京都は73-76と1ポゼッション・ゲームに食い下がりボールを保持していた。しかしキングスはプレッシャーを強め京都のオフェンスを阻止。残り19.4秒には京都のファウルゲームで得たフリースローをエバンスがきっちり2本成功させ、勝負を決めた。
琉球の沖縄アリーナでの試合は、4月21日の対名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(85-87で敗戦)、同28日の対千葉ジェッツ戦(87-99で敗戦)、5月5日の対千葉ジェッツ戦(89-97で敗戦)に続く4試合目。チームにとって歴史的な初勝利は、四度目の正直でようやく手にすることができた形だ。両チームは翌5月9日(日)も同じく沖縄アリーナで対戦する。13:05ティップオフ予定のこの試合をもって、どちらも今シーズンのリーグ戦全日程を終えることとなる。

 

☆最終スコア
琉球 78(16 24 14 24)
京都 73(16 20 20 17)
最高得点: 琉球=ジャック・クーリー(15)、京都=ジャスティン・ハーパー(21)
最高リバウンド: 琉球=ジャック・クーリー(15)、京都=ジャスティン・ハーパー(8)
最高アシスト: 琉球=並里 成ドウェイン・エバンス、岸本隆一(4)、京都=久保田義章(8)


☆琉球ゴールデンキングス関係者コメント
藤田ヘッドコーチのコメント
この沖縄アリーナで1勝することができ良かったと思います。選手たちはモチベーションを保つことが難しい状況で、全員でよくファイトしてくれたと思います。レギュラーシーズンは明日の試合で最後ですが、やるべきことを遂行していけるようチーム全員で調整し、準備を続けていきたいと思います。

 

石崎 巧
試合を見ながら相手チームのディフェンスを確認し、コートに入る際にどのような部分が守備の構造的に隙が生じる点なのかを意識しています。今日は結果としてプラスに働いたと思いますし、うまくモーメンタムを変えられたと思います。

 

牧 隼利
沖縄アリーナで勝利することができ正直ホッとした気持ちです。今日は重たい展開になっていて、終盤にコートに立った時は、ハッスルする事でチームや試合の雰囲気を変えられるよう意識しました。怪我や気持ちのコントロールが難しい状況ですが、チャンピオンシップに向けまだまだ細かい部分をチームで高めていけるので、明日の試合もチームとしてやるべき事を遂行していきたいです。

 

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文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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