月刊バスケットボール5月号

NBA

2021.01.26

コービー・ブライアント - レイカーズのレジェンドを襲った悲劇の事故から1年

 

 2020年1月27日の朝6時23分、メッセンジャーの一報で目が覚めた。アメリカ在住で、以前HOOPと月刊バスケットボールで記者として力を貸してくれたマイク・スティーンストラからの、一言だけの短い知らせだった。

 

Kobe😢

 

 アメリカの太平洋時間1月26日9時45分、コービー・ブライアントと次女ジアナを含む9人が搭乗したヘリコプターが墜落、全員が命を落とした。スティーンストラからの知らせは、悲劇の事故から約3時間半ほど過ぎた時点だった。
今日、日本時間の1月26日がやってきた。あの日から1年だ。
この数日間は会見や関係者たちへの取材でも、記者たちがさまざまな形でブライアントに関する質問を投げかけている。ブライアントが20年間プレーした、ロサンジェルス・レイカーズのレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスなど現役プレーヤーや関係者だけではなく、例えばジョン・ウォール(ヒューストン・ロケッツ)、タロン・ルー(ロサンジェルス・クリッパーズHC)といった人々もブライアントに関する質問を受け、レジェンドに向けられた想いを明かしている。さらに情報を読み進めば、昨年あった出来事を綴った記事もいろいろと読むことができる。
目にする記事や映像から、そしてレイカーズがこの日前後に事故の犠牲者の霊を弔う公式行事を発表していないことから、近親者やブライアントを知る人々の悲しみや心の傷が未だ癒えていないだろうことが推察される。昨シーズン話題になったマンバ・ジャージーの着用も、この日の前後には予定されていないようだ。
記者たちにしてもファンにしても、そういう人がたくさんいることだろう。思い思いの形で、その人としての追悼を捧げているにちがいない。
レイカーズは現地1月25日(日本時間の今日26日)の対クリーブランド・キャバリアーズ戦に115-108で勝利し、この時点での成績を14勝4敗としてウエスタンカンファレンスの首位に立っている。レブロン・ジェームズはこの試合で46得点の活躍を見せた。
次の試合は現地27日の夜(水=日本時間28日の木曜日朝)にフィラデルフィアで行われる対セブンティシクサーズ戦。事故前日にジェームズがブライアントのキャリア通算得点記録(33643得点)を追い抜いたときと同じ対戦だ。

 

日本文化出版刊『英雄伝説 コービー・ブライアント』より(イラスト/茂本ヒデキチ)

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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