月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.06.06

金丸晃輔(シーホース三河)、Bリーグ2020-21レギュラーシーズン最優秀選手賞に輝く

驚異というべき実績を持つ金丸が、コート上の輝きにふさわしい賞をついに手にした(写真/©B.LEAGUE)

 

 日本を代表するシューターとして長年男子バスケットボール界を支え、盛り上げて続けている金丸晃輔(シーホース三河)が、自身初となるBリーグレギュラーシーズン最優秀選手賞に輝いた。Bリーグが6月4日にオンライン配信で開催した『B.LEAGUE AWARD SHOW 2020-21』のDAY2で発表された。


受賞が告げられ、恩師や旧友、チームメイトなど金丸のキャリアに深くかかわった人々からの祝福メッセージ映像が流れた後、金丸は「一人の力でここまで来たんじゃないというのが明確で、いろんな人に助けられてバスケットを教わって、ときには怒られたりもしましたけど、今まで携わってくださった皆さんに本当に感謝しかないです」と話し、物静かな中にも感激した様子だった。二人の子どもたちから贈られた似顔絵と「パパおめでとう」というメッセージが書かれたパネルを手にすると、「頭がもう真っ白です…。信じられないですね。本当にうれしいです」と柔らかな笑顔を浮かべ、「本当に上手にかけているので、涙が出そうです…」と父親らしい優しさのこもった感謝を言葉にした。


最優秀選手賞は、いつか獲りたいと思っていた目標だったという。「5年目、ようやく獲れて本当にうれしい限りです」と話した後、「今年に入って実の弟が亡くなって…。弟に最高のプレゼントというか、弟からいただいたものなのかなと、そういうふうにも思います」。プライベートで直面した悲しい出来事にも触れてこう話す金丸の言葉には、受賞の喜びだけではなく、愛情と感謝の思いがあふれていた。
配信イベントが終わった後のズーム会見では、「正直、驚いています」とあらためて素直な気持ちを語った金丸だが、実力的にはいつ獲得してもおかしくはなかったのではないかと思う。
福岡県出身。名門福岡大学大濠高校から明治大学に進み、パナソニック・トライアンズを経て2013年にシーホース三河に加わった。192cmの長身と巧みなカットムーブで執拗なマークを振りほどき、正確なストロークから“レインボー”という形容が良く似合う美しい軌道のショットで次々とネットを揺らす。

 

 Bリーグ創立初年度の2016-17シーズンには、3P成功率(42.6%)とフリースロー成功率(90.8%)でリーグ1位に輝くとともに、得点ランキングでも8位(平均16.7得点)。5シーズンを通じて、1試合平均14得点以上を維持する一方で、3P成功率が40%を割ったことは1度しかない(2017-18シーズンの39.5%)。フリースローはいずれも90%を上回っている。現在32歳の金丸は、この驚異的なパフォーマンスをまだまだ何年でも続けていけるだろう。

 

 最優秀選手賞を受賞した金丸の物語は、AWARD SHOW史上初の試みとして漫画化されることも決定している。作品を通じて子どもや若者を含む多くの人々が、前向きなインスピレーションを得られるのではないだろうか。『帝一の國』『ライチ☆光クラブ』の原作で知られる漫画家・古屋兎丸の手によるこの作品は、9月に『ジャンプ SQ.10月号』と『少年ジャンプ+』で掲載される予定だ。


この日の『B.LEAGUE AWARD SHOW 2020-21』DAY2では、ほかにも以下のとおり各賞受賞者の発表が行われた。藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース)は、ベストディフェンダー賞とベストタフショット賞とともにベストファイブにも選出され、2年連続“三冠王”を達成している。
受賞コメントや各賞詳細は『B.LEAGUE AWARD SHOW 2020-21』特設WEBサイトで閲覧可能だ。

 


アメリカに帰国中のジュリアン・マブンガを除くベストファイブ受賞プレーヤーは、和装にモダンなメンズウェアを組み合わせた新鮮なドレスアップ姿で、リアルとバーチャルが融合した神田明神とのコラボステージに登場した

 

B.LEAGUE AWARD SHOW 2020-21 DAY2 表彰結果

☆詳細は『B.LEAGUE AWARD SHOW 2020-21』特設WEBサイトで閲覧可能


レギュラーシーズン最優秀選手賞
レギュラーシーズンベストファイブ
金丸晃輔(シーホース三河)
※レギュラーシーズン最優秀選手賞は初、レギュラーシーズンベストファイブは5年連続5回目の受賞

最優秀選手賞に輝いた金丸晃輔は、家族や恩師、仲間たちからの祝福のメッセージに感激した様子だった


レギュラーシーズンベストファイブ
富樫勇樹(千葉ジェッツ/5年連続5回目)


レギュラーシーズンベストファイブ
ベストディフェンダー賞
ベストタフショット賞
藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース)
※レギュラーシーズンベストファイブとベストディフェンダー賞は2年連続2回目、ベストタフショット賞は初受賞


レギュラーシーズンベストファイブ
ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース/3年ぶり3回目)


レギュラーシーズンベストファイブ
ジュリアン・マブンガ(富山グラウジーズ/初受賞)

 

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ベスト6thマン
橋本拓哉(大阪エヴェッサ/初受賞)


BREAK THE BORDER賞
沖縄アリーナ/琉球ゴールデンキングス(初受賞)

 

BREAK THE BORDER賞
B.LEAGUE ファンの皆様(初受賞)


マスコットオブザイヤー
ブレッキー(宇都宮ブレックス/初受賞)


ソーシャルメディア最優秀
川崎ブレイブサンダース(2年連続2回目)

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「バスケット LIVE」On Fire 大賞
秋田ノーザンハピネッツ(初受賞)

 

「バスケット LIVE」On Fire 大賞
中山拓哉(秋田ノーザンハピネッツ/初受賞)

 

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熊本ヴォルターズ(初受賞)

 

「バスケット LIVE」On Fire 大賞
マイケル・パーカー(群馬クレインサンダーズ/初受賞)


NEXT STAR賞by日本郵便
増田啓介(川崎ブレイブサンダース/初受賞)


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写真/©B.LEAGUE
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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