月刊バスケットボール5月号
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金丸 晃輔
SG/192 cm
島根スサノオマジック[/caption]

 

[東京2020 男子日本代表の横顔]

いつでもシュートする準備はできている!

 

 言わずと知れた日本を代表するピュアシューター。機械のように正確なシュートを次々と決めるプレースタイルは、“得点マシーン”という表現が似合い、見ている者を魅了する。繊細なシュートタッチは「肘の角度が決まればシュートは入る」(金丸)と言うほどで、キャッチ時に全てが決まると言っても過言ではない。また、一見、タフショットに見えるシュートもスローで見れば、ボールをリリースする直前まで上体がストレートアップしている。着地時に片足が上がることでオフバランスのように見えるが、金丸のシュートはオープンショットなのだ。

 190cm近くあった福岡大附大濠高時代…「入学したときに195cmを超える3年生が3Pシュートを放っていたのを見て、自分も3Pシュートをしていいんだ」と、金丸は思ったという。また、明治大時代はずっと得点王だったが、4年時は逃している。それはトップリーグでプレーするためには、大量得点を狙うより確率を上げ、より良いシュートを放つという目的があったからだ。

 今年32歳となった金丸はパナソニック(旧日本リーグ)の休部に伴ってアイシン(現シーホース三河)に移籍し、8年にわたって得点源としてチームの勝利に貢献してきた。現役10シーズンで3Pシュートは3回、フリースローでは6回のリーグリーダーになっており、ほとんどのシーズンで3Pシュートは4割以上、フリースローは9割以上(連続記録は65本、2019‐20シーズンは78本中76本を決めるという驚異的な数字を残した)という正確無比な確率を誇る。

 学生時代に目標とした「シュート確率の高さ」は今でも健在で、リーグでは3Pシュート1試合成功11本というリーグ1位タイ記録に加え、自身最高となる45得点を挙げた。これは日本人プレーヤーの最高記録更新となっている。さらに、6月に行われた国際強化試合のイラン戦2試合で3Pシュートを12本中6本、5割を沈める数字も残した。

「シュートすることが仕事。いつでもシュートする準備はできている」と金丸が意気込むように、ドライブからキックアウトというフリオ・ラマスHCの戦術・戦略では、この職人芸とも言える金丸の3Pシュートがチーム浮沈のカギを握ると言ってもいい。

 気が付けば、日本代表での年齢は上から2番目のベテランになった金丸。年齢を重ねることで、自覚や使命感も強くなってきた。東京オリンピックという晴れ舞台で、金丸の3Pシュートが世界の強豪国を相手にさく裂することを楽しみにしたい。

(山本達人/月刊バスケットボール)



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