月刊バスケットボール6月号

中学(U15)

2021.01.08

【Jr.ウインターカップ】四日市メリノール学院が初代女王に

 京都精華学園(京都)と四日市メリノール学院(三重)との顔合わせとなったJr.ウインターカップ女子決勝。初代女王を決する戦いは延長にもつれる熱戦となった。

 京都精華は身長187cmの#15ディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ、メリノールは192cmの#15福王伶奈と、共に規格外のセンターを擁するチーム同士。これまでの試合でも、その高さは相手にとって脅威となってきた。しかし、この決勝ではお互い高さでのアドバンテージを取れないなか、アウトサイド陣の活躍が目立つ展開となった。

 

#15ディマロ(京都精華)と#15福王(メリノール)の異次元マッチアップ

 

 メリノールの稲垣愛HCは「ずっと#4東紅花のシュートと、#8黒川心音のパスでチームを作ってきました」と話すも、今大会では#8黒川が右足の小指を負傷しており、満足なプレーはできていない。またシューターの#4東も調子が上がらない状態だった。

 前半リードを奪ったのは京都精華。司令塔の#4堀内桜花、センターの#15ティマロを中心にバランスよく攻撃し、32-22と10点差を付けた。「気を抜かないようにとみんなで話していました」と#4堀内。一方のメリノールは、#4東が積極的なオフェンスでチームをリードするものの、得意の3Pシュートがなかなか入らず、#8黒川も本調子とはいかない。しかし、稲垣HCの信頼は厚く、#4東には「シュートを打ち続けていい」と話していた。黒川も「決勝ではスターターでいくと言われていました。痛かろうが最後なので、少しでもチームの役に立てるように」と、それぞれ後半での活躍を期していた。

 徐々にメリノールが点差を詰めていくと、#4東の3Pシュートが決まり出す。また、終盤に入ると#15福王のインサイドアタックが決まり出し、さらに#4東が3Pシュートを決めて試合を延長に持ち込んだ。

 

3Pシュート5本を含む26得点をあげた#4東(メリノール)

京都精華をリードした#4堀内

 

 延長でペースを握ったのはメリノール。#14永福歩暖がドライブでファウルを誘発。#4東が3Pシュートでたたみ掛けると最後は#8黒川のジャンプシュートでダメ押し、60-56で頂点に立った。

 敗れた京都精華の山本綱義監督は「やはり疲れがたまっていたのでしょう。最後に足が止まってしまいました。相手の#4東さんがあそこまで3Pシュートが入るとは。乗せてしまいました。どんな結果であっても、笑顔で帰ろうと言ってきましたが、悔しさが残る結果となってしまいましたね。それでも選手たちは良く戦ってくれ、誇らしく思います」と振り返った。

 

写真/JBA

文/飯田康二(月刊バスケットボール)



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