月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2021.01.07

【Jr.ウインターカップ】八村、馬場を輩出した奥田が青龍を下しベスト4

 奥田バスケットボールクラブ(富山)は八村塁(NBA ワシントン・ウィザーズ)、馬場雄大(NBL メルボルン・ユナイテッド)を輩出した奥田中の選手からなるクラブチームで、坂本穣治ヘッドコーチは二人の恩師でもある。今大会には男女アベック出場を果たしており、女子は残念ながら初戦敗退となったが、男子は順当に勝ち上がってきた。
今年のチームは2年生エースの#9高田将吾(186cm)を中心に、3年生たちが脇を固める布陣。一方の青龍U15バスケットボールクラブ(山形)は箕輪クラブ U15との3回戦で、シーソーゲームを4Qの逆転で勝ち進んできて勢いがある。また身長188cm の#8大泉皓翔を擁し、奥田BC#9高田とのマッチアップも注目された準々決勝となった。

 

奥田#9高田と青龍#8大泉のマッチアップ

 

 試合は序盤、奥田BCの#9高田が得点、アシストと好プレーを見せリードを奪う。しかし、「ことしのチームは試合経験が少なく、一つのミスで、ドドッと崩れてしまう」と坂本ヘッドコーチが言うように、いい流れが続かない。青龍に追い上げられ、2Qに入ると青龍の#4佐藤泰誠、#5小椋温翔、#14後藤宙らの活躍で逆転を許すと、一時は2ケタ差にリードを広げられてしまう。それでも奥田BCは#9高田を中心に応戦し、29-35とビハインドを6点にとどめた。
後半に入り、再び青龍が2ケタ差とするも、奥田BCは徐々に反撃モードに入る。#9高田を軸に、#7笹倉快斗の3Pシュートなどで追い付き、3Q終了間際で48-47と逆転して最終Qに。
4Qに入ると#9高田、#7笹倉らの得点で奥田が先行し、運動能力の高さを見せる1年生の#17加古誠一郎も続き流れをつかむ。しかし、粘る青龍は一旦ベンチに下がっていた#8大泉がコートに戻り、リバウンド、インサイドアタックで加点。残り1分を切ったところでも、ファウルで得たフリースローを2投沈め、その差を5点に縮めた。さらにタイムアウト明けに#14後藤のスティールからボールを奪うとパスを受けた#5小椋がレイアップを決めて61-64と3点差。激しいディフェンスでさらなる追加点をねらうも、奥田BCに踏ん張られてタイムアップ。66-61と奥田BCが準決勝にコマを進めた。八村を擁し、準優勝を遂げた2012年全国中学校大会以来となる全国ベスト4入りとなった(奥田中として出場)。
同日の3回戦、広島ドラゴンフライズ U15との試合で左腕を負傷してしまった奥田BCのキャプテン#4高田は「自分はケガの影響もあって、調子も悪く、試合に出ていない時間が長かったのですが、チームのみんながしっかり声を出してゲームを作ってくれました。いいチームに支えられました。9番の高田将吾に頼りがちなのですが、3年の笹倉快斗などがしっかり攻めて、みんなが点数を取ってくれました」と勝利をかみしめた。

 

写真/JBA

文/飯田康二(月刊バスケットボール)



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