月刊バスケットボール8月号

中学(U15)

2021.01.05

【Jr.ウインターカップ】川島悠翔(NLGインフィニティ)が「全国大会でダンクを決める!」という目標を達成して勝利!

 198㎝(メンバー表は195㎝)のオールラウンダーで大会注目選手の一人であるNLGインフィニティ(群馬)の川島悠翔。ペイントの端から一歩でボースハンドダンクを決めることのできる身体能力と、リバウンドからそのままボールを運び、そしてキックアウトもできるハンドリングの良さと視野の広さも魅力の選手だ。すでにアウトサイドからのプレーも難なくこなせる将来が楽しみな中学3年である。

 

 昨年、東海市で開催されたジャパンクラブゲームスで「川島悠翔」の名を全国に知らしめるはずだったが、インフルエンザに罹って無念の欠場。それだけに、このジュニアウインターカップは待ちに待った全国大会だった。

 

「全国ではダンクを決めたい!」(川島)と意気込んだ初戦(シードで2回戦)の相手は、1回戦を勝ち上がってきた強敵・西福岡REBIRTH(福岡)。試合は戦前の予想どおりの接戦に。互いに硬さが見られる立ち上がりで、シュート成功率が上がらない展開となり、前半は32-24でインフィニティがリードした。

 

 西福岡は3Qに入ると、それまでボールスクリーン主体で全体的に重かったオフェンスが、カットプレーを挟むことでボールとプレーヤーが動き始める。一方、インフィニティは#0川島のスティールからの豪快なボースハンドダンクで一気に波に乗るかと思われたが、残り4分から激しいディフェンスで西福岡が猛追。4Q残り7分には最大13点差を#16崎濱の3Pシュートで43-41と逆転に成功する。インフィニティはターンオーバーなどで3Q残り4分から4Q残り6分まで得点がピタリと止まった。

 

西福岡REBIRTHは#16崎濱の確率の高い

ジャンプシュートで最後まで食らい付いた

 

 残り4分、試合が再び動く。インフィニティは川島がプットバックで決めると、#12西村の3Pシュートも飛び出し、55-51と最後に主導権を握った。川島はその後もディフェンスリバウンドからそのままボールを運んでシュートをねじ込むなど、本来の力を発揮。結局、28得点、22リバウンド、4アシスト、4ブロックという怪物ぶりを見せ付け、59-53で接戦を制した。敗れた西福岡も崎濱が3Pシュート2本を含む27得点を挙げて奮闘したが、一歩及ばず。インフィニティが19ターンオーバーをしたことからも西福岡のディフェンスは脅威だったはず。だが、対戦相手のビッグマンの存在がオフェンスの思い切りを鈍らせたのかもしれない。

 

鋭いドライブで相手ディフェンスを

圧倒したNLGインフィニティ#0川島

 

「前半からファウルトラブルになったことは想定外でした。それでも3Qであれだけのことができましたが、その後はしりすぼみでした。川島選手にはインサイドでのダブルチームはある程度、成功していましたが、ドライブに体を張って対応することが難しかったです」と、西福岡の鶴我コーチ。また、「途中、ボール運びでうまくいかなかった部分はありましたが、2Qで良かったランが最後に出たと思います」と、インフィニティの舘野コーチは勝因を語った。

 

 川島は「試合前は少し緊張していましたが、キャプテンとして焦らず落ち着いてプレーでき、全国大会でダンクをするという目標は達成できました。自分だけでなく、チーム全員で攻めていけたことが勝敗を分けたと思っています。明日は今日以上のプレーをしたいです」と、初戦突破と自分のプレーを振り返った。

 

写真/JBA

文/山本達人(月刊バスケットボール)



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