月刊バスケットボール8月号

大学

2019.11.25

【J SPORTS PRESENTS】インカレ&ウインターカッププレビュー

阿蓮(東海大)×西ライオン(バスケ大好き芸人)対談

 

 

高3のウインターカップ決勝は

試合が終わる前から泣いていました

 

大西 僕は大阪の高校でバスケをしていたんだけど、全国大会に出られるようなチームではなかったので、ウインターカップに出ている選手はめっちゃ憧れていました。ましてや、阿蓮君は高校時代に二度も優勝してすごい。阿蓮君にとって、ウインターカップの思い出は?

八村 いちばんに思い出すのは3年の時に優勝したことです。インターハイは決勝で大濠(福岡大附大濠高)に負けて悔しい思いがあったので、最後の大会で勝てたことがすごくうれしかったです。まだ試合が終わってないのに泣いてましたね。残り30秒を切ってアレックス(相原アレクサンダー学、青山学院大2年)がフリースロー打っていたとき、感情が抑えきれなくなって泣いてしまいました。

大西 それくらいうれしかったんやね。ウインターカップの決勝の舞台に立った気持ちは? うわーお客さんがいっぱいとか思うものなの?

八村 正直、集中しすぎていて周りを見ていなかったです。緊張よりも極限の集中というか、自分のやるべきことに集中してましたね。

大西 じゃあ終わってから、こんなにお客さんおったんやーって思ったの?

八村 そうですね。優勝してからそう思いました。

大西 決勝のような大きな試合前はプレッシャーとか、緊張はあったの?

八村 プレッシャーはなかったです。一戦一戦、勝ち上がったので、あとは試合をするだけでした。集中していたから、決勝はすごく思い切ってやれましたね。

大西 へーそうなんだ。ウインターカップのような大きい舞台でバスケをする人って、どう思いながら試合しているんやろうって、ずっと思ってたんだよね。

八村 1年のときはあまり試合に出なかったので、逆に周りばかり見ていました。こんなに人が多いんだーとか思ってましたね。決勝は立ち見もいたくらいすごかった。

大西 僕、その試合見に行ってたんですよ。お兄さんの塁君(ワシントン・ウィザーズ)がエースの時。優勝した瞬間、パーッと金のテープがたくさん舞って、塁君が金のテープの中で舞いながら両手を挙げていたのがカッコよかったなあ。優勝の瞬間はどういう気持ちだったの?

八村 僕らの時は、台の上に立って表彰されたときに金の紙吹雪が舞いました。「優勝は明成高校、バーン!」って大きな音が鳴ったので、みんな何事かと思って、喜ぶのを忘れちゃったくらいでした(笑)。ただただ、気持ちよかったです。

大西 兄弟で全国優勝ってホンマすごいとしか言いようがない。兄弟で優勝するってどんな気分なんやろ?

八村 塁たちは3年連続で優勝していたので、ただただ、先輩たちはすごいとしか思ってなかったんですけど、自分たちの代で優勝したことで、優勝するのはこんなに大変なことなんだとわかりました。そこではじめて「塁に一歩近づけた」と思いました。自分の力で勝ったことがなかったので、すごくうれしかったです。

 

明成の強さの秘訣は自分たちで考えてやること

練習時間は短いけれど、とても「濃い」

 

大西 阿蓮君が2年のウインターカップは1回戦で敗退して、3年生で優勝でしたね。3年生では何が変わったから優勝できたの?

八村 2年生までは練習の姿勢がダメでした。練習から意識を持ってやらないと勝てないとわかってからは、練習から変わりました。僕は2年まではあまり自主練とかしなかったんですけど、2年のウインターカップで負けてからは、自分から自主練をするようになり、そういうことを地道にやるようになったのが大きかったと思います。でも、3年生になったらインターハイの決勝で大濠に1点差で負けたんです。そこでまたすごく悔しい思いをして、そこからもう一段努力をして、チーム全員でさらに意識を変えた結果、ウインターカップで優勝できました。

 

 

大西 悔しい経験があって意識が変わってきたんやね。明成っていうと、すごく強いイメージがあるけど、強さの秘訣はなんやろ?

八村 明成って言ったら、佐藤久夫先生の練習とか采配がすごいのは確かなんですけど、それだけじゃなくて、先生は「自分たちで考えてバスケットをすることが大事」と日々の練習から言っています。選手たちが考えてバスケをやることが他のチームと違うところだと思います。

大西 考えてやるって、どういうことをやるの?

八村 2年の頃は考えてやることが大事だってことにすら気づけなかったんです。でも、3年のインターハイで負けて、コミュケーションを取ることが大事だとわかってからは、ミスをしてもみんなで目を合わせ、言いたいことを言い合うようにしました。みんなで考えを出し合っていたら、先生に言われたことだけじゃなく、チームでやるべきことがわかるようになったんです。話し合ってからはチームの一体感が出てきたと思います。

大西 僕は大阪府予選で敗退するチームだったので聞きたいんだけど、強いチームって、学校にいてもずっと練習してるんでしょ?

八村 そんなことないですよ(笑)。普通の高校生活を送っています。

大西 授業が終わってから放課後に練習してるの? 昼休みとかも練習しているイメージなんだけど。

八村 明成は他のチームより短いと思います。2時間ちょっとくらい。短い時間で集中してやる感じです。

大西 えー!そうなんだ。一日10時間くらい練習しているのかと思ってた(笑)

八村 そんなに練習しませんよ(笑)。本当に短いですね。土日も一部練習が多くて、3年の時は2部練習はほとんどなかったです。でも体育館練習のあとにウエイトトレーニングをしっかりやって、それぞれ自主練習はしています。2年の時は、もう少し練習時間は長かったんですけど、3年になって短くなったのは、いい練習をしていたからだと思うんですけど。

大西 そうなんだね。強豪校だとめちゃくちゃ走っていると思っていました。

八村 走るときは走ります。

大西 どのくらい走るの? むっちゃキツかった練習は?

八村 スリーメンで外したら、決めるまで走る練習はキツかったです。でもそれより、どんな練習も集中して全力でやるので、練習そのものが厳しかったです。明成の練習内容はめっちゃ濃いですよ。それはどこの高校にも負けないと思います。



PICK UP