月刊バスケットボール5月号

FIBAアジアカップ2021予選に臨む男子日本代表、カギは得点力

男子日本代表は2月11日からの強化合宿を経て、14日(日)未明にFIBAアジアカップ2021予選開催地のドーハ(カタール)に向かう

 

 2月17日(水)からのFIBAアジアカップ2021予選(カタール・ドーハ)に臨む男子日本代表が、11日から味の素ナショナルトレーニングセンターで強化合宿に入ることが発表されている。
代表候補としては、2月9日に24人の名前が挙げられた。2年前のFIBAワールドカップ2019(以下WC19)出場メンバーからは7人が名を連ねたが、その時注目を浴びた5人を欠いている。
今大会の代表チームにおける大きな注目点は、WC19組で名を連ねていないその5人に代わる戦力、あるいはその5人抜きで戦う戦術を確立できるかどうかになってくる。入っていないのは八村 塁(ワシントン・ウィザーズ、205cm)、馬場雄大(メルボルン・ユナイテッド、198 cm)、渡邊雄太、(トロント・ラプターズ、208cm)の海外組と比江島 慎(宇都宮ブレックス、190cm)、そしてニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース、211,5cm)の5人だ。
WC19を振り返ると、チームとしての平均得点が66.8に対し渡邊(15.6)、ファジーカス(14.4)、八村(13.3)、馬場(9.2)の上位4人が全体の78.6%にあたる52.5得点を稼いでいた。その前段階、2017年11月から始まった同大会アジア予選では、ファジーカスと八村が加わってオーストラリアに勝利した2018年2月25日の千葉決戦まで0勝4敗だった日本代表における得点源は比江島。そこまでの比江島は4試合中3試合でチームハイの得点を記録し、平均でも18.5得点は全体の26.2%に相当する数字だった。
身長200cm越えのフロントラインの核と、バックコート最大の得点源2人がいない。人選と戦術に関する構想をフリオ・ラマスHCは何らか持っているはずで、それを確認するのが11日からの合宿ということになる。これは今大会だけではなく、将来に向け常に層の厚みを備えた状態にしていくためのステップとも言えそうだ。
フロントラインに関して今回の候補では、WC19組に加えアメリカ出身のブラウン、ロシター、エドワーズらが上記の答えになりそうに思える。添付の一覧に今シーズンのB1におけるスタッツ(2月10日の日程終了時点)を並べてみたので、あわせて参照してみるとわかりやすい。単純に、名前を挙げた3人はフロントラインにおける得点とリバウンドのトップ3だ。

 

G=出場試合数 PPG=平均得点 FG%=フィールドゴール成功率 3FG%=3Pフィールドゴール成功率 FT%=フリースロー成功率 RPG=平均リバウンド数 APG=平均アシスト数 ST=平均スティール数 BS=平均ブロック数

※色付きの行はフロントライン、色付き文字はFIBAワールドカップ2019出場プレーヤー


別の視点からは、今回は全員がB1クラブ(16クラブ)から選出されており、その内訳が遠征メンバー選考と各チームの状況に影響を及ぼすこともありうると思われる。最多のアルバルク東京が3人で、2人ずつ送り出したのが宇都宮ブレックス、大阪エヴェッサ、川崎ブレイブサンダース、シーホース三河、千葉ジェッツ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの6クラブ。ほかに9クラブが一人ずつとなっている。上位チームからの選出が多いこともあり、代表ニーズ、各クラブの状況、プレーヤー本人の意向も含め、様々な観点からどんな人選になるか、考えを巡らせてみるのも面白いだろう。
男子日本代表は14日未明に開催地のドーハに飛ぶ予定であることが発表されている。

 

文/柴田 健(月バス.com)



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