月刊バスケットボール8月号

NBA

2020.04.22

渡邊選手のいないGリーグの撮影【ブログ】 NBA Shooting Report Vol.5

【NBA Shooting Report by フォトグラファー石塚康隆 Vol.5】

 

 昨シーズンのNBAでの撮影取材を振り返るNBA Shooting Report。前回メンフィスのバーベーキューを食べてリラックスしたフォトグラファー石塚康隆。(Vol.4はこちら)本日はGリーグの撮影です。

 

2019年3月22日

 

【渡邊選手の応援に来た日本人ファン】

 

 この日は19時からGリーグのオクラホマシティ・ブルー対メンフィス・ハッスルの試合です。それまではホテルで、日本でやり残した仕事をして過ごします。

 

 今回はずっとメンフィスにいる予定なので各地方への移動はありませんが、移動が多いときには朝から飛行機で移動して夜に撮影、また翌朝に移動して次の撮影…なんてこともよくあります。

 

 さて、ホテルで16時ごろにタクシーを呼び、試合会場のランダーズ・センターへ。ランダーズ・センターまでは車で20分ほどの距離です。会場は近くの道路沿いにお店が数店舗あるぐらいで、静かな場所にあります。

 

 到着後はまず、プレスパスを受け取ります。初めての会場なのでどこで受け取れるのか不安でしたが、とりあえず入った入り口すぐのところに「MEDIA」の文字を見つけ、ひと安心しました。受付時間より少し早く来てしまったようでしたが、少し待っていたら現地の記者の方が数人入ってきました。話をしながら待っていると、時間になったので受付を済ませてプレスルームへ。

 

 試合開始まで時間があったので、軽くご飯を食べて会場内の“雑感撮影”を始めます。雑感撮影とは試合以外のもの、例えばイベントや会場環境などの撮影です。会場内を撮影して回っていると、ゴール裏にグッズ販売のブースや、子どもたちが遊べるようなスペースがありました。ゴール裏に空いたスペースがある場合、客席を作ることが多いですが、そこに楽しめるスペースを作ってしまうのも面白いなぁと感じました。

 

 会場内を撮影していると、日本人の方たちに話しかけられました。仕事でアメリカに来ていて、車で1時間30分かけて試合を見に来たとのこと。しかし渡邊選手はグリズリーズに帯同中でオーランドにいるため、残念ながら今日の試合には出ないことが決まっています。そのことを伝えるととても残念そうでしたが、今後の活躍が楽しみだと嬉しそうに話していました。そういう自分自身も、もともと今日の試合でプレーしている姿が撮影できる予定だったので残念でしたが、渡邊選手がNBAでプレーできるチャンスが増えているんだなぁと思えば喜ばしいことです。

 

【Gリーグのファンサービスと楽しむファンたち】

 

 今回の試合は渡邊選手がいないので、両チーム均等に撮影していきます。撮影エリアは自由に動けたので、ゴール側に寄って撮影したり、ベンチの近くで表情を狙ってみたり、いろいろなアングルも試してみます。

 

 月バスの誌面ではなかなかGリーグの写真を使う機会はありませんが、撮影した選手たちが今後活躍すると使われる可能性もあるので、常にかっこいい写真を撮ることができるように心掛けて撮影をしています。

 

試合の間にタオルを回して盛り上がっているメンフィス・ハッスルのファンたち

 

 ハッスルのファンの方たちはとても楽しそうにしていたのが印象的で、入り口で配っていたタオルを回しながら熱心に応援していました。試合後はコート上でサイン会もあり、選手とファンの方が交流できます。NBAの試合後にこういうファンサービスはなかなか行われないので、距離の近いイベントはファンの方たちには嬉しい時間ですね。

 

試合後のファンサービス。選手たちもリラックスしていて笑顔で楽しそうでした

 

 試合を撮影している間もグリズリーズの試合が気になり携帯でスタッツを確認していましたが、残念ながら渡邊選手の出場はなかったようです。明日はまたメンフィスに戻ってホームゲームがあります。明日こそ渡邊選手の撮影ができることを期待しつつ、ホテルに帰って今日撮影した写真のチェックを始めたのでした。

 

(Vol.6へ続く)

 



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