• バスケットLIVEインカレ2021

第73回全日本大学バスケットボール選手権大会

【日程】2021年12月6日(月)~12月12日(日)
【会場】国立代々木競技場 第二体育館(東京都渋谷区)、大田区総合体育館(東京都大田区)、エスフォルタアリーナ八王子(東京都八王子市)

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インカレ2021新着ニュース

2021年12月14日

【インカレ2021】男子決勝/前年王者の東海大を下し白鷗大が初優勝!

チーム力を存分に発揮し

白鷗大が後半の猛攻で初優勝!

 

 12月12日に行われたインカレ男子決勝戦は、優勝候補No.1と目された関東1位の東海大相手に、白鷗大が63‐58で逆転勝利。タイムアップのブザーの瞬間、白鷗大はベンチの選手もコートになだれ込み、飛び上がって初優勝の喜びを爆発させた。創部34年目、そして網野友雄氏が監督に就任してから4年目の冬。指揮官が“4年計画”でじっくり育ててきた現4年生を中心に、チーム一丸となって歴史的快挙を成し遂げた。

 

 

 試合は長く東海大ペースだった。「東海大の過去の映像を見ながらオフェンスを修正して試合に臨んだのですが、前半はそれがうまくできずに点数が伸びなかった」と振り返る白鷗大の網野監督。逆に東海大はゾーンディフェンスで相手のミスを誘い、#5河村勇輝のアシストを起点に息の合ったプレーで#24松崎裕樹や#23佐土原遼が得点を挙げるなど、常に先手を取って試合をリードした。ベンチ出場のルーキー、#13金近廉や#3ハーパー ジャン ローレンス ジュニアも、フレッシュな活躍でチームに活力を与え、前半を終えて30‐22と東海大が8点リードに成功する。

 

 風向きが変わったのは3Qだ。1、2Qともに僅か11得点に終わった白鷗大だが、強度の高いディフェンスを継続しつつオフェンスを修正。スピードのある#0関屋心や#66松下裕汰が果敢にドライブでアタックし、東海大のディフェンスをこじ開ける。東海大も4~6点差のリードを保ち続けるが、試合は徐々に白鷗大の追い上げムードに包まれていった。ただ、3Qラストにはスティールから#5河村がブザーギリギリに速攻を決め、48‐41と東海大が7点リードして最終Qへ。

 

 

 4Qに入っても、東海大が僅差で逃げ、白鷗大が追い掛ける展開が続いた。リードしていても決死の覚悟で向かってくる相手に追い上げられるという展開は、東海大が今年のインカレでずっと悩まされてきた流れ。2回戦の大東文化大戦(65‐63)を皮切りに、中央大戦(69‐65)、専修大戦(79‐71)と、全く同じような展開だった。ただ、だからこそ点差を詰められても東海大の選手たちは落ち着いていた。準決勝後の#23佐土原の言葉を借りれば「無理なシュートも入るのがインカレ」と割り切って、ディフェンスで我慢しながら相手の猛攻に耐えていた。

 

 しかし、この決勝ではどちらに勝負が転ぶか分からない最終盤、流れをつかんだのは白鷗大だった。互いに強度の高いディフェンスを仕掛け合う中で、勝負の分かれ目となったのは決定力の差。もともと秋のリーグ戦で「変に力が入っているのか、決めるべきシュートを決められなかった」(網野監督)という課題を持ち帰った白鷗大は、その反省を生かし、4年間試合経験を積んできたキャプテン#66松下がこの土壇場で大爆発。残り4分半、ほどよく力の抜けた柔らかなジャンプシュートで52‐52の同点にすると、さらにはパスカットから速攻を決めて逆転に成功した。

 

 対する東海大は、#11大倉、24松崎、#23佐土原と3Pシュートが外れ、#8河村のドライブもディフェンスに阻まれる。逆に白鷗大は残り2分半、ディフェンスでも良い働きをしていたシックススマンの#33杉山裕介が価値ある3Pシュートで5点差に広げ、優位に立った。その後も僅差のリードを保ち、極めつけは残り55.1秒、#66松下が倒れながらバンクシュートを決めてバスケットカウント獲得。東海大は残り37.5秒で#23佐土原が3Pシュートを決めて3点差に迫るが、#11大倉のラストプレーはシュートにつながらず。強度の高いディフェンスを40分間継続し、勝負どころで決めるべきシュートを決め切った白鷗大がうれしい初優勝を飾った。

 

 

 

大学4年間での学びを糧に

4年生は次なるステージへ

 

 今から1年ほど前に、網野監督がこんな話をしていたことがある。

「高校までのキャリアでいったら、ほかのチームの選手の方が上だと思います。でも僕自身は、関東1部に来るほどの学生って、持っている能力にそこまで大きな差があるわけではないと思っているんです。高校時代の結果や経験値、自分自身への自信に差はあると思いますが、そのあたりをきちっと埋められるように練習から意識してやっていけば、そのうち追い付くという感覚が自分の中である。いいものを持っていて、大学で開花する選手はたくさんいますから。取り組み次第です」

 

 白鷗大の今年の4年生は特に、そんな大学での開花が顕著だったと言えるだろう。東海大の#11大倉や#86八村を筆頭に、同学年は華やかなタレントぞろいの代。ただ、大学入学の時点ではキャリアや自信に差があったかもしれないが、白鷗大の選手たちは4年間で努力と経験を積み、「自分たちでも戦える」という自信を身に付けて結果を出した。何より、彼らがプライドとして持っていたのは「個人ではなくチームで戦う」という姿勢。キャプテンの#66松下も「この1年間、チームの力強さを感じました。仲間と助け合いながらバスケをすることが一人一人の自信や責任になって、それがさらなる一体感、チーム力につながったと思います」と優勝の要因を語った。

 

 一方、敗れた東海大は結果を受け入れられないような、呆然とした様子だった。「最後のプレーを含めて正直納得はいっていないですけど、負けという結果は変わらないので…。このチームメイトと戦ってきたことに誇りを持って、これからもこの悔しさを忘れずにバスケットに取り組みたいです」と話したのは#86八村。悔しい終わり方となり、普段は涙を見せない#11大倉も会見で「スタッフの皆さんにこれだけすばらしい環境を作ってもらって、それに応えられなかった、僕の責任だと思います」と声をふるわせた。ただ、東海大での4年間で学んだことの話になると、選手たちは皆、「下を向かずに常に前を向くということを教わった」(#23佐土原)と前向きな言葉を語っていた。失意の敗北を味わった今こそ、4年間で陸川章監督から培った前向きなメンタリティーを発揮すべきときだろう。“シーガルスファミリー”で歩んだかけがえのない4年間を誇りに、大学界をけん引し、多くの人々を魅了した4年生たちは次なるステージに進む。

 

 

【個人賞】

○最優秀選手賞 松下 裕汰(白鷗大#66 4年)

○敢闘賞 大倉 颯太(東海大#11 4年)

○優秀選手賞

 角田 太輝(白鷗大#25 4年)

 ブラグロリダ(白鷗大#52 4年)

 八村 阿蓮(東海大#86 4年)

 二上耀(筑波大#13 4年)

 キング 開(専修大#23 4年)

○得点王 佐土原 遼(東海大#23 4年)79点

○3ポイント王

 山本 翔太(専修大#1 4年)9本

 野崎 由之(専修大#28 4年)9本

○アシスト王 河村 勇輝(東海大#5 2年)34

○リバウンド王

 ケイタ・シェイクブーバガー(専修大#0 3年)42本(OF13/DF29)

○MIP賞 大倉 颯太(東海大#11 4年)

○クリーン・ザ・ゲーム賞 筑波大

 

取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

写真/山岡邦彦

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