高校生

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2022/06/20

【東海大会】51点の大差でライバルを退けた桜花学園のテーマは「タイムシェア」

 

 女子決勝戦は桜花学園と岐阜女によるライバル対決となった。昨年の同大会では岐阜女が勝利を収めており、桜花学園にとってはリベンジを誓う試合に。

 

 今大会の決勝までの勝ち上がりは両者対照的なもので、桜花学園は市沼津との初戦を123対44と大勝し、準決勝では同じ愛知県の安城学園を95対54で下す貫禄の勝ち上がり。一方の岐阜女は、初戦となった2回戦の浜松学院戦では4Qで一時逆転を許す苦しい場面からの再逆転(85-73)、準決勝の名古屋経済大高蔵戦でも、2点差(62-60)でなんとか逃げ切る苦しい戦いを強いられての決勝進出だった。

 

 そんな決勝は、お互いを知り尽くしている者同士、序盤は互いの盾が矛を凌駕する守り合いの展開に。開始3分の時点でスコアは3-2と桜花学園がわずか1点をリードするのみだった。そこから徐々に点が動き出すと、桜花学園が#5平賀真帆の3Pや#11大久保陽菜のレイアップ、#18深津唯生が#4横山智那美とのピック&ロールからパスを受けてバスケットカウントをねじ込むなど、1Q終盤に猛チャージをかけ8点のリードを奪った(24-16)。

 

ゲームメイクや要所の3Pシュートなどでチームをまとめた#5平賀真帆

 

 2Qに入ると1Q終盤の良い流れを継続するかのように#18深津が再び#4横山との連携からバスケットカウント、#7森美麗のミドルジャンパー、#4横山も連続得点を記録するなどジワジワ点差を拡大。守っても選手個々がマンツーマンでマッチアップマンを封じ込め、岐阜女にタフなアウトサイドからのシュートを強いさせた。その後も桜花学園のペースが続き、最後は#5平賀がステップバックスリーをブザービーターで沈め、前半でその差を20点とした(51-31)

 

 後半に入っても、#4横山、#7森が立て続けに速攻を沈め、岐阜女のタイトなハーフコートディフェンスに対しても流れるようなパスワークから#18深津や#9髙木美波らが得点を重ねていった。最終スコアは107-56。桜花学園は#6鈴木杜和、#7森、#18深津がそれぞれチームハイの18得点、#4横山が14得点、#5平賀が13得点と5人の2桁得点を含む9選手が得点に絡むバランスの取れた攻めで岐阜女に的を絞らせなかった。

 

 ディフェンス面でも小まめにメンバーチェンジを繰り返しながら、出る選手それぞれがフレッシュに、強度を落とさずにマンツーマンで相手をガードできていたのが印象的だ。

 

インサイドでの力強さに加え、トランジションやミッドレンジなど自在に得点した#7森美麗

 

 こうしたタイムシェアでの戦いについて、長門明日香アシスタントコーチは「今年は機動力があるメンバーがそろっていて、その中で控えの#10田中こころなどはシュート力も持っていたり、3年生の#11大久保はディフェンス面で頑張ってもらったりというふうに、それぞれの特徴を生かしながら出ている時間にどんどん頑張ってもらうというスタイルでやっていこうかなと思っています」と説明。

 

「選手には『出た時間で精いっぱいやってくれればいいよ』と、次に出る子も控えているからその子たちを頼りながらではないですけど、そういうふうに伝えていました。でも、(これまでは)みんな出し惜しみしてしまっていて(笑)。それが、この東海大会でタイムシェアにもだいぶ慣れて、決勝の岐阜女戦は用意してきたことを結構遂行できたので、ああいう展開にできました」と、戦い方が浸透し始めているようだ。

 

 中核を担うのは昨年からの経験がある3年生たちで、桜花学園の伝統となっているインサイドを起点とする戦い方は今年も継続していく。その中で、例年以上に積極的に選手をローテーションして、誰が出ても強度が変わらずに戦える点は、今年ならではの大きな武器と言えるだろう。

 

 今大会は井上眞一コーチが帯同していなかったが、そんな中でも高い遂行力で優勝をつかみ取った桜花学園。昨年大会のリベンジも見事に達成し、インターハイに向けて大いに弾みを付けた大会となったことだろう。

 

写真/幡原裕治

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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