月刊バスケットボール6月号

【近畿大会】エース星川を起点に安定感ある戦いを見せた洛南が大会連覇!

決勝で33得点と完全にゲームを支配した洛南#5星川開聖

 

 6月24〜26日にかけて滋賀県で開催された近畿大会(第69回近畿高等学校バスケットボール大会)。男子決勝は前年覇者の洛南と、チーム史上初の決勝進出を果たした阪南大のマッチアップに。

 

 洛南はエースの#5星川開聖を軸に、#4西村渉や#6三浦健一といった身体能力と機動力の高いフロントコートを形成し、バックコートにもクレバーな司令塔#8辻永遠、外角から援護する#9天野幹也らオールラウンドに仕事をこなす5アウトのメンバーで今大会を勝ち上がってきた。

 

 一方の阪南大は突破力に長けたエースガードの#6嶋本昇太や機動力に長けた留学生の#15 ンワンクォ・チネドゥ・ゴッツウィルといった運動量豊富な選手を起点にファイナルにたどり着いた。

 

 そんな試合は結果から言うと洛南が83-65で完勝。

 

 1Qからオールコートでディフェンスに当たる阪南大の包囲網を持ち前のパスワークで難なく突破し、#5星川や#6三浦らが力強いペイントアタックからバスケットカウントを連発。

 

 阪南大もこの試合で27得点をマークした#6嶋本や#15ゴッツウィルを起点に1桁点差まで詰め寄る場面もあったものの、その度に洛南がフィジカルなディフェンスからイージーバスケットを展開し、再び15点差前後に押し戻すといった展開が続いた。

 

アグレッシブにアタックし続けた阪南大#6嶋本昇太は27得点を記録

 

 後半に入ってもその流れは変わらず、阪南大のゾーンディフェンスに対しても、洛南は冷静に攻めどころを見極める試合巧者ぶりで3Qを終えて28点のリード(70-42)。前述した最終スコア83-65で洛南が大会連覇を達成した。

 

 洛南は初戦(2回戦)からの4試合全てで15点以上の差を付けての大会連覇。特に大崩れしない安定感には目を見張るものがあり、その点について河合祥樹アシスタントコーチは「点差が詰まってきたときにもう1回グッと離していける力はあるのかなとは思います。個の力がある程度強くなってきています」と、手応えも感じていた一方で「5点差に詰め寄られていくときに怠けてしまっているというか。自分で自分の首を苦しめて疲れてしまったり、プレータイムが長くなってしまうということをまだ分かっていないのかなと思います」と逆に課題も見えた様子。

 

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 今大会では接戦を経験することなく優勝したことで、「僕としては1点を争うような試合はしたくないんですけど(笑)、チームにとってはそういう勝つか負けるかの局面、例えばパス一つやシュート一つにもプレッシャーがかかる中でのゲームメイクなどは確かにやりたかったです」と先を見据えた。

 

 とはいえ、成功体験を積み上げるという意味では今大会を完勝したことの意味は大きいはずだ。昨年はインターハイベスト16(3回戦vs.東海大付諏訪/60-63)、ウインターカップでは2回戦敗退(2回戦vs.中部大第一/76-89)と共に強敵との接戦を勝ち切れずに悔しさを味わった洛南。近畿大会の優勝を弾みに、より高みを目指すべくインターハイ本戦までの残り期間を過ごしてくるはずだ。

 

 

■準決勝以降の結果は以下のとおり

 

<男子準決勝>

洛南(京都)84-65 関西大北陽(大阪)

阪南大(大阪)104-76 大阪桐蔭(大阪)

 

<男子決勝>

洛南(京都) 83-65 阪南大(大阪)

 

各試合のボックススコアはこちら

 

写真/山岡邦彦

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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