月刊バスケットボール5月号

W杯アジア地区予選Window4、トム・ホーバスHCはイラン遠征を回避 - 佐々宜央が代行HCに

 公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)は8月16日、FIBAワールドカップ 2023アジア地区予選Window4のイラン遠征にトム・ホーバスHCが同行しないことを明らかにした。

 


Softbankカップ2022でのトム・ホーバスHC(写真/©JBA)

 

 Window4は、テヘラン(イラン)で日本時間の8月26日午前1時(木=イラン時間25日[水]午後8時30分)から行われるイラン戦と、8月30日(火)に沖縄アリーナで行われるカザフスタン戦の2試合。このうちイランへの入国が必要な初戦については、佐々宜央Aコーチがヘッドコーチを代行する。

 

 ホーバスHCの遠征回避は、アメリカ政府がイランへの「渡航禁止」を定めていること(下記参照)や、直近のアメリカやイランの関係性を鑑み、また関係機関からの情報・意見に基づいて検討した結果とのこと。同様の理由で、ゲインズ アソシエイトHCも遠征には加わらない。

 

 佐々HC代行の任命は、現在までの日本代表におけるコーチング実績と Bリーグクラブでの経験を評価してのことと発表されている。

 


イラン遠征でHC代行を務める佐々宜央Aコーチ(写真/©JBA)

 

 

☆アメリカのイラン渡航禁止勧告

 

 アメリカの国務省公式サイトでイランへの渡航に関する忠告・勧告情報を確認すると、7月22日付で4段階の最高レベルであるレベル4(Do not travel[渡航禁止])となっており、イランにおけるアメリカ国民に対する誘拐や独断的な逮捕など、不当拘束の危険性に関する記述がある。アメリカとイランは1979年にテヘランで起こったアメリカ大使館占拠・人質事件を契機に1980年以降国交を断絶したまま。近年では、バラク・オバマ大統領政権で結ばれたいわゆるイラン核合意の履行をめぐる動きなどを背景に緊張が高まった。今年7月には、ジョー・バイデン現アメリカ大統領がイランと対立するイスラエルとサウジアラビアを歴訪する一方、アメリカとの関係が極度に悪化しているロシアのウラジミール・プーチン大統領がイランを訪れるなど、お互いをけん制する動きが見られている。


アメリカ国務省公式サイトのイラン渡航禁止勧告


☆日本のイランに関する危険情報発信等


外務省が公式サイトで発信している情報では、イランのほとんどの地域がレベル1(十分注意)。また日本は親米国家であるものの、イランとアメリカの外交的緊張が高まった場合を除けば、日本人や日本権益に対するテロの脅威は高くないとの見方が記されている。


外務省公式サイト海外安全情報ページ

(月刊バスケットボール)



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