月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.01.21

It goes full circle(その繰り返しになっていくんです) - 好調ユタ・ジャズの試合運びをルディ・ゴベアが一言解説

 

 現地1月19日の対ニューオリンズ・ペリカンズ戦に118-112で快勝を収めたユタ・ジャズ。クイン・スナイダーHCは大きな勝因の一つに相手との3Pフィールドゴールの差(ジャズが47本中21本決めたのに対しペリカンズは26本中6本)を挙げたが、そうできた理由は強固なディフェンスであり、そこを頑張れば仮にショットが決まっていなくても戦えることを強調した。チームディフェンスがオフェンスの好転を生み続けるのがジャズの試合運びというわけだ。

 スナイダーHCの見方を裏打ちするかのように、ディフェンスの核として奮闘している213cmのセンター、ルディ・ゴベアは、ディフェンスとオフェンスの良い流れが「繰り返しになっていくんです(It goes full circle)」とジャズの試合運びを解説した。

 数字をひも解くと、ジャズはこの日の試合を終えて3P成功数(平均16.5本)がリーグ1位。また、ディフェンシブ・リバウンド数(平均38.5本)と総リバウンド数(同49.6本)もリーグ1位であり、相手に許した3P成功数(同11.0本)はリーグ2位の少なさだ。相手に打たれた3Pショットの本数(同32.1本)もリーグで4番目に少ない。

 これらの数字は、ジャズが相手に3Pショットを許さないようなディフェンスを敷き、落ちたショットのリバウンドをがっちり獲ってオフェンスに転じ、自らはより良いチャンスでロングレンジからオープンショットをねらえていることを示している。忘れてはいけないのは、シューターにディフェンスがクローズアウトしてくればインサイドが空き、ドノバン・ミッチェルのようなスラッシャーにペイントに攻め込むチャンスを渡してしまうということだ。それがゴベアの「It goes full circle」という説明につながる。

 この一言は以下のような一連の流れで発せられたものだった。「相手を止められれば、こっちが走って攻め込むことができます。僕たちにはシューターがそろっていますから、(効率よく決められるので)その繰り返しになっていくんです」
ゴベア自身の生の英語表現は以下のようなものだった。
“When we get stops, we can run on teams. And we have so many shooters. It goes full circle.”
19日の試合を終えて10勝4敗のジャズは、ロサンジェルス・レイカーズ(11勝4敗)に次ぐウエスタンカンファレンス2位(勝率ではロサンジェルス・クリッパーズとタイ)。2018年、2019年に連続して最優秀ディフェンシブ・プレーヤー賞に輝いたゴベアは、平均13.6リバウンドと2.7ブロックがともにリーグ2位と本領を発揮している。チームもゴベア個人も今の調子を保っていけば、今年のポストシーズンでこれまで以上に大きな存在感を見せてくれそうだ。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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