月刊バスケットボール5月号

ギャビン・エドワーズ

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ギャビン・エドワーズ
PF/206 cm
千葉ジェッツ[/caption]

 

[東京2020 男子日本代表の横顔]

機動力とハイエナジーなプレーが勝敗のカギを握る

 

 ライアン・ロシターとたった一つの帰化選手枠を巡る争いを制して、東京オリンピックの最終ロスターに残ったギャビン・エドワーズ。来日以降、シーホース三河と千葉ジェッツで安定した活躍を見せるビッグマンは、日本のファンにもなじみの深い選手だ。そんな背景があるからこそ、意外と知られていない過去もある。

 彼は大学時代にはNCAAディビジョン1の名門コネチカット大でプレーし、2年時にはNCAAトーナメントでファイナル4進出を果たしている。当時のチームメイトには2009年のNBAドラフト全体2位で指名され、かつて横浜ビー・コルセアーズでも活躍したハシーム・サビートの名もあり、2つ下にはNBAで活躍するケンバ・ウォーカー(オクラホマシティ・サンダー)がいる。

 世界トップクラスのチームで4年間プレーしたエドワーズは、Dリーグ(現在のNBA・Gリーグ)やギリシャリーグを渡り歩き、2013年の夏に初来日。アイシンシーホース三河で入団2年目の2014‐15シーズンにはNBL制覇に大きく貢献している。

 当時は桜木ジェイアールとアイザック・バッツのバックアップとして出場し、持ち前の運動量とエナジーでチームを活性化する存在だったが、2017年オフに移籍した千葉では一躍大黒柱に。大野篤史HCの掲げるインテンシティ(強度)の高いディフェンスと、トランジションで得点を量産するスタイルに完璧にフィットした。

 日本代表でもその長所は存分に生かされており、三河時代には比江島慎と金丸晃輔、現在は千葉で富樫勇樹とともにプレーしているため、連係面でもうまくチームに溶け込むことができている。

 主役はあくまでも八村塁や渡邊雄太になるが、エドワーズ自身は千葉での役割と同じく積極的にリバウンドに飛び込み、トランジションで走り、時にはアウトサイドからもリングを射抜く。派手なプレーをするタイプではないが、熱い闘志を胸に秘めながら黙々と自分の仕事をこなす。

 サイズと機動力を重視して選ばれた今回のロスターの中で、間違いなくキーマンの一人となる存在だ。

(堀内涼/現代バスケットボール)



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