月刊バスケットボール5月号

NBA

2021.02.08

ディアロン・フォックス(キングス)、ディフェンスの重要性を説く - We know we can score the ball. But...(得点できるのはわかっています。が…)

 

 アメリカ現地時間2月7日夜(日本時間8日朝)にロサンジェルス・クリッパーズを113-110で倒したサクラメント・キングス。直近8試合は7勝1敗で好調の波に乗っている。そこまでは4連敗と苦しんでいたが、この日の勝利で通算成績も12勝11敗としてウエスタンカンファレンスの9位。試合がなかった8位のゴールデンステイト・ウォリアーズに勝率で並んでおり、この先もうひと暴れしそうな勢いだ。
この日の第4Q終盤に、ディフェンスに定評のあるクリッパーズのカワイ・レナードに対して1対1で果敢なアタックをしかけ、自らの得点やアシストでチームを鼓舞したのが、身長190cmのポイントガード、ディアロン・フォックスだった。36得点(FG15/25、成功率60.0%)に7アシスト、4リバウンドは彼とすれば驚くものではないが、いずれにしても価値ある活躍だった。
試合後の会見で、時折あくびをするシーンもあったのはご愛嬌といったところ。答え自体はしっかりしていた。負けが込んだときにどんな思いだったかを聞かれると、その時点ではチームに変化が必要だったこと、特に問題がディフェンス面にあったことを挙げた。「得点できるのはわかっています。でも、結局バスケットボールっていうのはオフェンスだけではダメなんですよね。どうやったら5人をディフェンス面で集中させることができるか。一人か二人が頑張るだけではダメですから」
フォックスはまだ4年目だが、ベテランのチームリーダーのようなコメントだ。本人の英文回答は以下のようなものだった。
“At that time, it’s like something has got to change. Like I said we know we can score the ball. But at the end of the day, basketball isn’t about what you do on the offensive end. What can we do to have all five guys locked in and being able to buckle down on defense because it can’t just be one or two guys.”
このくだりは会見の終わりに近い部分。最後に「勝ち始めたらもっとやろう、もっとやろうとチームごといい感じになってきました…と、回答をうまくまとめた後、進行役が「以上です、お疲れ様でした」と会見終了を告げた。するとフォックスはいきなり元気に立ち上がり、「さて、急がなきゃ! スーパーボウル見ましょうよ!」と言い放って画面からサッと消えていったのである。さっきまであくびをしていたのに…(笑) このおおらかさが今の好調の要因なのかもしれない。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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