【FIBAWC2019現地レポート】チェコの3P攻勢を前に力尽き2次ラウンド上位グループ進出ならず

 

 9月2日、FIBAワールドカップ2019の第2戦に臨んだ男子日本代表。初戦(vs.トルコ)の黒星から切り替え、世界ランキング17位のチェコから初の白星を挙げようと戦いに挑んだ。出だしから追う展開となったが、各選手が踏ん張りを見せて食らい付き、3Qを終えて9点差。だが最後は引き離され、76-89で敗戦を喫した。

 

 

 この試合、チェコのガード陣対策として日本は#18馬場、#24田中をスタメンに起用し大型化。特に攻撃の起点となる#8サトランスキーを、運動量豊富な馬場が序盤から徹底マークした。開始15秒、#8八村が3人に囲まれながらもフリースローを獲得して日本が先制。だがチェコは#17ボハチークの3Pシュート、#12バルヴィーンのインサイドプレーと、内外角から多彩なオフェンスで得点を重ねていく。それでも日本は田中の3Pシュートなどで食らいつき、交代で出た#7篠山も#12渡邊と息の合った連係プレーを見せるなど1Qを18-18の同点で終えた。

 

 2Q、チェコは日本のターンオーバーを確実に得点につなげ、じわじわとリードを広げていく。対する日本は#22ファジーカスがシュートやリバウンドで気を吐き、渡邊のバスケットカウントなどで1桁差に付いていった。前半終了間際には、「今日の試合はゴールにアタックする、点を取りにいく意識でした」という#6比江島が倒れながらドライブをねじ込み、40-45の5点差で後半へ。

 

 3Q、八村が厳しいマークをかいくぐってバスケットカウントやダンクシュートなどを決め、日本を奮い立たせる。だがチェコはサトランスキーからのキックアウトで#11シルブやボハチークが3Pシュートを次々に沈め、10点前後のリードを保った。9点差で入った4Q、チェコはディフェンスを引き締め、日本のミスから速攻を出してリードを広げていく。終盤、八村がタフショットを決めて粘ったが、点差を縮めるまでには至らず、そのまま13点差で試合終了となった。

 

 互角に戦える時間帯もあり、「勝つチャンスはたくさんあったと思います」とラマスHC。だが、第1戦でアメリカに敗れ、日本と同じく崖っぷちにいたチェコは集中していた。ミスの少ない華麗なパス回しから3Pシュートを11本成功。ラマスHCはオフェンスについてある程度の合格点を与えながらも、相手の3Pシュートなどに対して「ディフェンスはまだまだ改善する余地がある」と語っていた。また、リバウンド総本数はほぼ変わらないものの、オフェンスリバウンドが日本が8本に対してチェコは14本。八村も「ワールドカップで勝つためには、まだまだリバウンドとディフェンスを強くしなければいけない」と言う。

 

 今回の敗戦により、日本は2次ラウンド上位グループ進出への道を絶たれた。ただ、2試合世界の強豪に揉まれた中で「成長もしている」とラマスHC。強豪・チェコといえども「勝てない相手ではなかったと思うので、だからこそ負けたことが悔しい」と渡邊は話していた。勝利を挙げるために立ちはだかる世界の壁は高いが、それでも到底手が届かないものではない。続く1次ラウンド第3戦は、バスケットボール大国・アメリカ。全てをぶつけ、貴重な収穫を持ち帰りたい。

 

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(月刊バスケットボール)



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