バスケ男子日本代表、進化の確証を得たFIBAアジアカップ予選


中国代表ドゥーHCは、初戦以上に日本に対する警戒を高めていたことを明かした(写真:©SBP/FIBA Asia Cup)

 

進歩を生んだBリーグでの切磋琢磨


男子日本代表は、6月後半から7月にかけて強豪相手の国際試合が続くが、同じような経験を蓄える機会になりそうだ。その過程で、優位な時間をどれだけ作れるか、また終盤に勝ちきることができるかは、興味深いみどころの一つだ。
中国のドゥー・フェン(DU Eeng)HCは、「試合前、プレーヤーたちに『今日は前回以上に難しい試合になるぞ』と話しました」と話し、チャイニーズ・タイペイとの試合で調子を上げていた日本代表に対し警戒を高めていたことを明かした。「緊張もあったかもしれませんが、思うようなプレーは攻守ともできず、ワイドオープンで何本も決められました」
たぶん中国代表側の緊張もあっただろう。しかし最後の試合時間の約75%にわたって日本が優位を保てた大きな要因は、まちがいなく日本側のゲームプランとマインドセットだ。苦戦が見込まれたインサイドの戦いにも、武器とすべきアウトサイドシューティングにも、自信と気迫を持って戦っていた。試合中2度、両チームのプレーヤーが熱くなり小競り合いになるシーンがあったが、それだけ闘志を持って臨んでいた証しだ。
ただ、これもラマスHCが話したとおり、やはり中国は勝ち方を知っている。「前半を終えて3Pショットを20本中10本決められていましたが、『必ず下がってくるから、慌てず我々のやってきたバスケットボールをしよう』と話しました。終盤は実際そうなり、残り6分40秒あたりのタイムアウトでディフェンスを変えた後は、日本を4得点に抑えることができました」とドゥーHCは振り返った。

 

中国代表のドゥーHCは金丸を「優秀なシューター」として警戒していた(写真:©SBP/FIBA Asia Cup)


日本のプレーヤーでは、金丸に特に注意したという。「皆に『#14はプロリーグのMVPで優秀なシューターだから、何としても抑えよう』と話しました。今後の国際試合でも、中心的プレーヤーに好きにさせないことが重要になりますからね」。その中で金丸はフィールドゴールアテンプト6本で成功が3本、さらにフリースロー3本を決めて12得点を奪った。右ウイングの深い位置から、ファウルをもらいながら「4点プレー」を成功させた場面もあった。

 収穫の多かった今予選会を終えた男子日本代表は、試合後早々帰国の途についた。次は6月23日から27日にかけて、宮城県と岩手県でイラン代表を招いての国際強化試合が3試合組まれている。新型コロナウイルス関連の対応や時差の影響解消などを含め、両チームがベストコンディションでプレーできること、その中で男子日本代表が今回の経験も踏まえさらにステップアップできることを願うばかりだ。

 

【関連記事】 5人制バスケ男子日本代表、6月にイラン代表と宮城、岩手で3試合

 

☆男子日本代表国際強化試合情報

バスケットボール男子日本代表国際強化試合2021(宮城大会/岩手大会)
International Basketball Games 2021 in MIYAGI/IWATE

東日本大震災 10 周年復興支援大会

 

対戦カード: 男子日本代表vs.男子イラン代表

 

試合日程:
宮城大会 ○2021年6月23日(水) セキスイハイムスーパーアリーナ (宮城県総合運動公園総合体育館)
岩手大会 ○2021年6月25日(金) 奥州市総合体育館 (Z アリーナ)
○2021年6月27日(日) 奥州市総合体育館 (Z アリーナ)
※海外チームの入国許可については政府と調整中

 

大会公式サイト : https://akatsukifive-men-2021.japanbasketball.jp/

 

 

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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