月刊バスケットボール6月号

バスケ男子日本代表、中国戦で得られた収穫

6月16日の対中国戦に登録された12人(写真:SBP/FIBA Asia Cup Qualifier)


フィリピンで開催中のFIBAアジアカップ予選に参加している男子日本代表が、6月16日午後に中国と対戦。57-66で黒星という結果となった。
日本は富樫勇樹(PG、167cm/千葉ジェッツ)、安藤周人(SG、190cm/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、張本天傑(SF、198cm/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、エドワーズ ギャビン(PF、206cm/千葉ジェッツ)、竹内公輔(PF、207cm/宇都宮ブレックス)の5人がスターター。対する中国はジャオ・ジーウェイ(#4 ZHAO Jiwei/PG、185cm)、ウー・チァン(#1 WU Qian/G、190cm)、フー・ミンシャン(#3 HU Mingxian、G、191cm)、ジョウ・ペン(#10 ZHOU Peng/F、206cm)、シェン・ジジェ(#14 SHEN Zijie/C、211cm)。5人の平均身長は日本が193.6cmで、中国側の196.6cmに比べ3cm小さい。ロスター全体の平均身長も、日本代表は194.8cm(バックコート184.5cm、フロントライン205.2cm)で中国の199.4cm(バックコート188.8cm、フロントライン210.0cm)に比べ小柄だった。

※中国のプレーヤー表記は[姓・名]の順で、アルファベット表記は大文字部分が姓です

 

粘り強く戦えた男子日本代表

 

 日本は思うような試合の入り方ができなかったことが敗因の一つ。初得点は第1Q残り6分8秒の安藤(周)による3Pショットで、ティップオフから約4分間はこれ以外のフィールドゴール・アテンプト5本(うち3Pショット4本)がすべてミスとなり、さらにターンオーバーも2つと苦しんだ。

 一方で、この時間帯の中国に決定的なランを許さなかったことが、終盤の追い上げにつながった。安藤が初得点を記録した時点でのスコアは3-7で日本が4点を追う状況。中国は素早い攻め上がりとインサイドでのプレーで得点を狙ってきたが、日本側はトランジション・ディフェンスの戻りが速く、ペイントでのショットも楽にさせていなかった。

 18日(金)の対チャイニーズ・タイペイ戦、19日(土)の中国との第2戦とも、この時間帯に良い波をつかむことが勝利へのカギの一つなのは間違いないだろう。フィリピンのバブルで行われている大会での久方ぶりの試合ということで、チーム全体にも個々のプレーヤーにもどこか硬さがあったに違いない。それは前半の3Pショットの不振(13本中成功3本のみ)にもつながっていたと思われる。
さらに日本は、第1Q、第2Qともクォーター終了間際にレイアップで中国に得点を許したのが余計だった。20-32で12点の劣勢という前半終了時点のスコアは、この4点がなければ、そして3Pショットがあと1-2本でも決まっていたら、まったく異なる印象になる。

 試合終了時は9点差の勝負。試合への入り方とクォーターの締め方をうまくマネジメントすることが課題の一つと捉えることができるのと同時に、このほかの時間帯には粘れていたことを収穫として捉えることもできるだろう。

 

効果的だったディフェンス

 

 序盤とは打って変わったように、日本が良い流れをつかんだのは第4Q最後の約8分間だった。第3Qにも粘り強くついていった日本だったが、最終クォーター残り8分54秒、中国#4ジャオからの好アシストを受けた#14シェンのダンクで35-55とされ、さらには続くポゼッションで#10ジョウに左サイドのベースラインドライブからレイアップをねじ込まれ35-57…。この時点で、「やはり厳しいか…」と感じた人も多かったかもしれない。

 しかしここから日本は比江島と金丸の3Pショットが決まりだし、また日本代表デビュー戦だったエドワーズがファウルトラブルの中でも攻守に奮闘。渡邉飛勇もフィジカルなプレーで中国のビッグマンに良く対抗し、自らのミスショットのリバウンドからフリースローを得る(1本成功)などチームに活気をもたらした。22点差をつけられた後の終盤約8分間は逆に日本が22-9とダブルスコア以上の優位。この時間帯の戦いぶりを、今後の2試合でティップオフ直後からできれば結果は変わる。

 

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