【女子アジアカップ現地レポート】強豪オーストラリアを破り決勝進出!

 

「今日の試合は、長く感じました」

 9月28日、オーストラリアとのアジアカップ準決勝を、トム・ホーバスHCは開口一番にそう振り返った。力が拮抗していただけに、流れの奪い合いとなったこの試合。会場や映像で見守る日本のファンの誰もが、同じように40分間をジリジリと長く感じたことだろう。それでも結果的に、76-64で世界ランキング3位のオーストラリアを撃破。4連覇を狙う日本は、最初の山場となった準決勝を乗り越え、無事に決勝へと駒を進めた。

 

 

 オーストラリアに対し、「すごく良いメンバーが集まっているけれど、まだチームになり切れていない印象を受けました。そこをアタックしたかった。うちのチームバスケットをしつこくやっていけば、相手が崩れるかな、と思った」と語ったホーバスHC。その言葉どおり、この試合は日本が“しつこく”戦い抜いたゲームだった。

 

 序盤、主導権を握ったのはオーストラリアだ。シュートがなかなか決まらない日本を尻目に、気持ち良く3Pシュートを決めたオーストラリアが開始3分で11-2と先手を打つ。だが、一方の日本もベンチ出場の#15本橋がアグレッシブに攻めて食らい付き、我慢して苦しい時間帯をしのいだ。すると、反撃の時が来たのは2Q。「相手にアジャストして、2Qからうちのチームディフェンスの力が効くようになりました」(ホーバスHC)と、激しいディフェンスから流れをつかみ、大黒柱の#10渡嘉敷も豪快なブロックショットでチームに貢献。攻めては#27林が決めたチーム最初の3Pシュートを皮切りに、本橋や#52宮澤の3Pシュートも決まって一気に追い付き逆転に成功した。35-28と、7点リードで後半へ。

 

 3Q、開始早々に宮澤がすぐさま3Pシュートを沈め、そのまま日本が僅差でリードする展開に。オーストラリアが追い上げたところで、日本も#14本川が力強いドライブをねじ込むなど譲らない。52-48で4Qに入ると、宮澤が立て続けに3本の3Pシュートに成功して主導権を握った。また、高さのあるオーストラリアに対しても全員でリバウンドを徹底して付け入る隙を与えない。ベンチメンバーも含めてそれぞれが持ち味を出した日本は、最後まで気を緩めることなく、76-64で逃げ切り勝利。しつこく自分たちの戦いを貫いて強豪オーストラリアを下し、決勝進出を決めた。

 

 

 いよいよ大会4連覇が懸かる、決勝へと駒を進めた日本。もう一つの準決勝では、中国が韓国に80-52で快勝し、明日の決勝は<日本vs.中国>という注目のカードになった。昨年のワールドカップや今年の大会前の遠征で中国に敗れている日本にとって、“打倒・中国”の思いは強い。アジアの頂上決戦でどんな戦いが巻き起こるか、熱戦必至だ。

 

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(月刊バスケットボール)



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