月刊バスケットボール5月号

FIBAアジアカップ2022のトロフィーがお台場に登場 - 「日本代表が持ち帰ってほしい!」とファンの声

 インドネシアのジャカルタで7月12日(火)から24日(日)まで開催されるFIBAアジアカップ2022のトロフィーツアーが、アジア諸国を巡り5月21日に東京・お台場にやってきた。

 

@JAPAN_JBA

 

 FIBAアジアカップのトロフィーは、2016年までは各開催地が大会ごとに用意していたが、アジアとオセアニアが初めて一体となってレバノンで開催した2017年の大会以降は一つのトロフィーを優勝チームが持ち帰る形をとっている。高さ55cmのシルバーのボディーにFIBAのフランス語記述である「Federation Internationale de Basketball Amateur」の刻印を施したゴールドのプレートが輝き、その下にカップ全周を覆うネット模様、そして土台部分には「FIBA ASIA CUP」の文字が刻まれている。アジア・オセアニアの頂点を極めたチームが手にするにふさわしい荘厳な雰囲気が漂う。


トロフィーツアーがお台場にやってきた当日の21日に、茨城県から偶然近くに買い物に来たという竹井さん(下の写真の男性)は、アジアカップを毎回楽しみにしているバスケットボール通で、「こういう大きな(大会の)トロフィーを間近で見たことがなくて、実物を見て興奮してしまいました。ぜひ日本代表に持ち帰ってほしいです!」と話していた。また、世界中の人々が集まる国際都市東京の町らしく、展示されていたわずかな数時間に日本人だけではなくインド、イラン、中国、パキスタンなどいろいろな国の人々がトロフィーのそばにやって来ては、アイコニックなお台場の町を背景にトロフィーと記念撮影をして盛り上がる姿が数多く見られた。

 

@FIBAAsiaCup

 


FIBAアジアカップ2022は本来昨夏開催される予定だったが、東京2020オリンピックが1年うしろ倒しで開催されたことにより、今夏に時期をずらして行われることとなった。出場するのは予選を勝ち上がった16チームで、男子日本代表(FIBA世界ランキング38位)はイラン(同23位)、カザフスタン(同68位)、シリア(同83位)とともにグループCに入っている。


アジアカップでの男子日本代表は近年芳しい成績を収めることができていないが、過去には1965年(マレーシア開催)と1971年(日本開催)に王座に就いた実績がある(当時の大会名称は「アジア選手権」)。最後にメダルを獲得したのは、25年前にサウディアラビアで開催された1997年大会(同じく大会名称は「アジア選手権」)で、このときは小浜元孝HC(2017年に84歳で逝去)の下、折茂武彦、佐古賢一、長谷川 誠ら現在までバスケットボール界を様々な形でけん引している世代のプレーヤーたちが銀メダルを獲得している。同時に翌年のFIBAワールドカップ(ギリシャ開催)への31年ぶりの出場権獲得という歴史的な快挙も成し遂げたこのチームは、隣国同士の日韓対決となった決勝戦で敗れたとはいえ、当時の日本のバスケットボール界の熱気をコート上で世界に示した。

 

 現在アジア・オセアニア地区のランキングで、日本はオーストラリア、イラン、ニュージーランド、中国、韓国、フィリピンに次ぐ7位。しかしお台場で耳にしたファンの期待は高く、Bリーグ誕生から6年を経て国内バスケットボールの上昇機運も過去になかったほどの高まりを見せている。来年のFIBAワールドカップ2023での成功につなげる意味でも、この大会で自信を深められる成果を期待したい。

 

@FIBAAsiaCup

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FIBA公式サイトのトロフィーツアーフォトギャラリー
FIBAアジアカップ2022公式サイト



(月刊バスケットボール)



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