月刊バスケットボール5月号

FIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選/日本代表紹介①

ベースとなるのはアグレッシブなディフェンス! しかし、点を取らなければ勝利は望めない!!点取り屋PG富樫、フェイクの達人・比江島、ダンクが魅力の馬場を声援で後押ししよう!!!  

富樫勇樹(千葉ジェッツ)/©月刊バスケットボール     司令塔であるポイントガードの 富樫&宇都に注目!    ワールドカップ2019アジア地区1次予選を戦う日本代表の中で、まず注目してほしいのがポイントガード(PG)の2人、富樫勇樹(千葉ジェッツ)と宇都直輝(富山グラウジーズ)だ。というのも、ボール運びを担いつつ、ゲームにの起点となるPGは、いわゆるチームの司令塔。そのPG自身がどのようなプレースタイル、判断力を持っているかで、チームの良さを引き出せるか否かがかかっているのだ。    そのうち富樫は、167cmとバスケット選手の中ではひときわ小柄だが、ボールハンドリング、クイックネスが持ち味。特にオフェンス時は、その“小さくて速い”というのが武器になり、180cmクラスのPGに慣れている海外チームは、低い位置を疾走していく富樫を止めるのに苦労するだろう(逆にディフェンス時は、その小ささがハンデとなるのだが)。    また富樫は、外からの3Pシュートも得意としており、相手チームが内を警戒しているとどんどん外から射抜いていく。この外からのシュートがあるため、富樫には“点取り屋”という役割も求められているが、こうして富樫が“内に外に”と動くことで味方選手がフリーになることが多くなり、パスという選択肢も増えてくる。つまり、日本代表がチームとして良い化学反応を起こすために必要なのが富樫で、フリオ・ラマス監督も「オフェンスでは、できるだけ切り込んでディフェンスを収縮してほしい」と期待を寄せている。    それに応えるように、富樫自身も「フィリピン戦は、オリンピックに向けて“負けなれない戦い”の初戦。1点差でもいいので勝ちにいく」と気合十分。また、そうして熱い意志を見せながらも「監督のやりたいことをしっかりと理解して臨みたい」と冷静な面を持っているのも富樫の長所。フィリピン戦では、富樫がどんなプレーを見せてくれるのか。その一挙手一投足に注目してほしい。    そして、今回が初代表となったのが宇都。その宇都の特徴は、富樫が「身長が高いのに中に切れ込めるガードは、日本人ではなかなかいません。またドライブからのキックアウトなどクリエイティブなプレーができるのも持ち味だと思います。宇都さんが入るとボール回りが良くなります」とコメントする通りのもので、189㎝と日本人ガードとしては体格が良く、それでいて富樫に劣らないクイックネスがあるので、狭いスペースでも抜けていく突破力が魅力。一方、外からのシュートは富樫ほどないが、逆にディフェンス時に身長がハンデとなることがないため、どのような場面でこの宇都を使うのか? 実際の試合では、ラマス監督の采配に注目だ。 (つづく)   (月刊バスケットボール)  

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