月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2021.01.14

天皇杯3次R 辻の連続3Pシュートで千葉を突き放し川崎がベスト4へ

 1月13日、天皇杯3次ラウンド、ベスト4進出を懸け、川崎ブレイブサンダースがホーム、とどろきアリーナにBリーグの強豪で千葉ジェッツを迎えた。

 

 千葉は2017年から2019年まで天皇杯3連覇を果たしていたが、昨年はレバンガ北海道に敗れベスト8入りも逃してしまった。対する川崎はBリーグ創設以降、常に優勝候補に挙げられるものの、天皇杯、リーグのどちらも優勝はなく、昨シーズンの天皇杯では、決勝戦まで進みながら、サンロッカーズ渋谷に敗れている。どちらのチームもこの天皇杯にかける思いは強い。

 

試合は序盤から激しいディフェンスで先行する千葉に、川崎が要所要所で踏みとどまり付いていく展開。点差が開きそうで開かず、前半を35-35と同点で折り返す。後半に入ってもジリジリとした流れが続き、迎えた4Q。残り7分を切ったところで試合が動き始める。「ボディーブローがきいてきた」と#7篠山(川崎)がスティールからのレイアップでバスケットカウントを得て、60-58とリードを奪う。その後も川崎・佐藤HCが「準備してきた」という#34アギラール、#35ヒースの機動力を生かしたディフェンスで、千葉オフェンスを分断。攻めては終盤に#14辻が連続3Pシュート、更にドライブを決めて突き放し72-62と勝利を手にした。

 

勝負強くシュートを決めた辻(川崎)

 

 試合後、佐藤HCは「シーズン前半でケガ人が出て、連敗してから、一旦リセットしました。自分たちの軸をもう一度取り戻そう」とディフェンスでのフルコート・ピックアップ(相手オフェンスをフルコートでマークする)、ボールプレッシャーをもう一度意識し直して練習、試合を重ねてきた。そうした前半戦の集大成として臨んだのが天皇杯の千葉戦だったと言う。「我々が目指すディフェンスで、相手にボディーブローを与えることができ、4Qで差を広げることにつながりました」と、リーグトップのオフェンス力を誇る千葉を62得点に抑えたディフェンスを評価した。

 

 敗れた千葉の#2富樫は「突き放せるチャンスがあったのですが、そこでシュートが入らなかったり、ミスが出たりしてしまいました」と悔やむ。大野HCも「意識してきたディフェンスについては良くなったと思います。ただ、試合の終盤でのゲームマネジメントがうまくいきませんでした。勝ちに行こうという意識が出すぎて、チームでのオフェンスができなくなってしまいました」と振り返った。

 

 もちろん、天皇杯はこれからが本番。3月12日、13日にさいたまスーパーアリーナでセミファイナル、ファイナルが開催される。この試合、3Pシュート5本を含む、チーム最多の21得点を挙げた辻は高校、大学、そして社会人と常に優勝を手にしてきた。それだけに「Bリーグになってから、タイトルが取れていないのは、ふがいなくて」とプロであるBリーグでの優勝獲得に意欲を燃やしている。

 

<天皇杯 3次ラウンド>

川崎ブレイブサンダース 〇 72 - 62 千葉ジェッツ

アルバルク東京 〇 74 - 73 サンロッカーズ渋谷

宇都宮ブレックス 〇 87 - 72 大阪エヴェッサ

琉球ゴールデンキングス 60 - 85 〇 シーホース三河

 

(飯田康二 / 月刊バスケットボール)



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