月刊バスケットボール5月号

NBA

2021.03.18

八村 塁(ウィザーズ)にルーク・ウォルトンHC(キングス)も高評価 - 「He’s a very aggressive driver to the rim(ゴールに向かって非常にアグレッシブに突っ込んできます)」

この日の試合前会見でのウォルトンHC

 

 日本時間3月18日にティップオフを迎えるワシントン・ウィザーズ対サクラメント・キングス戦の試合前に行われた会見で、キングスのルーク・ウォルトンHCに八村 塁をどうとらえているかを聞いた。八村はミルウォーキー・バックスを相手にプレーした過去2試合で平均25.5得点、フィールドゴール成功率55.6%と好調。しかもその主なマッチアップは直近2シーズンのレギュラーシーズンMVPで今月7日にオールスター・ゲームでもMVPを獲得したばかりのヤニス・アデトクンボだった。「もちろん彼について話しましたよ」とウォルトンHCは切り出した。
「非常に優れた若手プレーヤーですね。近年のNBAがどんなものかを体現するような存在です。オフェンスでもディフェンスでも柔軟に対応し、複数のポジションを守ることができます」。ズームの音声がやや途切れ途切れになってしまったが、文脈としてこのような回答と捉えて大きく間違ってはいないだろう。「スリーも狙えて、ゴールに向かって非常にアグレッシブに突っ込んできますよね。今、非常に良い形で花開いてきていますから、ワシントンはこの成長を大いに喜んでいるに違いありません」

 

八村に対する対戦相手の警戒感は試合ごとに高まっているようだ


ウォルトンHC自身による英語でのコメントは音声が途切れた部分が2ヵ所あるが、全体の流れは以下のようなものだった。

“We’ve talked a little about him. He’s a very good young player. He’s got the great (…) what today’s NBA is. He’s versatile offensively and defensively. He can guard multiple positions. He can shoot threes, he’s a very aggressive driver to the rim. So he’s developing very (…) young player and I’m sure Washington is very excited about that development.”

 この日対戦するウィザーズとキングスは、チームスタッツに共通した部分がある。どちらもディフェンス面で非常に苦労しているという点だ。

 

ウィザーズ: 14勝24敗(イースタンカンファレンス12位)
平均得点114.6(リーグ10位)、平均失点120.1(同30位)、オフェンシブ・レーティング109.1(同20位)、ディフェンシブ・レーティング114.0(同27位)、ネット・レーティング -5.0(リーグ24位)、対戦相手の3P成功率38.7%(同27位)
キングス: 15勝24敗(ウエスタンカンファレンス13位)
平均得点114.8(リーグ9位)、平均失点120.0(同29位)、オフェンシブ・レーティング113.6(同10位)、ディフェンシブ・レーティング118.8(同30位)、ネット・レーティング -5.2(リーグ25位)、対戦相手の3P成功率39.6%(同30位)

 

 点の取り合いになりそうな両チームの対戦で、八村が主にマッチアップするのはハリソン・バーンズだろう。両者はどちらも身長203cmのフォワードで、バーンズが平均16.6得点に対し八村は13.2得点のアベレージ。このデータからは得点力には大きな差はない。しかし冒頭に記したとおり直近の八村は好調であり、両者一歩も引かない攻防の中で、八村にビッグゲームも期待できる。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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