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2021/06/09

創立10週年、新生千葉ジェッツが「離陸」 - 『CHIBA JETS REBRANDING』発表会見レポート

創立10年を経た千葉ジェッツはチームロゴも一新して新たな時代へと「離陸」する(写真左から佐藤卓磨、田村征也社長、西村文男、赤穂雷太)

 

新キャッチフレーズは「PAINT IT JETS(ジェッツ色に染めよう)」

 

 悲願だったBリーグ制覇を成し遂げた千葉ジェッツが、チーム創立10周年を機に取り組んだ『CHIBA JETS REBRANDING』の発表記者会見が、6月7日に千葉県八千代市のロックアイスベースで行われた。

 

 2020-21シーズンの千葉ジェッツは、B1リーグ戦を43勝14敗の成績で東地区2位とし、シーズンに並行して行われた天皇杯はベスト8進出にとどまったものの、ポストシーズンのチャンピオンシップで初優勝を成し遂げた。その間、千葉県を日本における「バスケットボール王国」とすることを念頭に、コミュニティーとさまざまな形で連係を図り支援活動に参画するなど、コート上での成績以外にも社会的なインパクトをもたらす取り組みで注目を集めてきた。また開幕前には、JR南船橋駅近くにあらたなホームコートとして1万人規模の収容人数を有する夢のアリーナを建設する計画が明るみに出たこともあり、市民球団としての存在感や地域からの期待感はいっそう膨らんだ。

 

 今回の『CHIBA JETS REBRANDING』は、“TAKE OFF INTO THE FUTURE(未来に向かう離陸)”というサブタイトルが示すように、今後のクラブとしての発展に弾みをつけるものとなりそうだ。発表の様子は千葉ジェッツ公式YouTubeで一般に公開されているが、組織のトップ自らの立場でプレゼンテーションを担当した田村征也代表取締役社長とともに、チームから西村文男、佐藤卓磨、赤穂雷太も登壇した。

 

 発表の中心は、新たなキャッチフレーズとチームロゴ、今後使われるキーカラー、そしてこの日会場として使用された4月にオープンしたばかりの千葉ジェッツ専用練習施設、小久保ロックアイスベースのお披露目が中心だった。

 

 新たなキャッチフレーズは「PAINT IT JETS(ジェッツ色に染めよう)」というもの。試合が行われている時間とその会場だけではなく、ブースターをはじめとしたクラブにかかわるすべての人々の日常をジェッツ色に染めよう、それにより町にバスケットボールがあふれるようにしよう、という決意を込めたフレーズだという。

 

 新ロゴは、ChibaのCとJetsのJを逆三角形のデザインにあしらった、これまでのロゴからは完全に一新された仕上がり。三角形にしたのはブースター、パートナーや地域、チームという、さまざまな立場でクラブにかかわる人々の一体感を表現するねらいだ。また、Jの右肩上がりの跳ね上がりのデザインは、飛行機の上昇感とバスケットボールの飛翔感を表している。

 

 ロゴにも採用されているなじみ深いチームカラーの赤は、「チャレンジング・レッド」として今後もメインカラー。このほかにライジング・プラティナム、ビヨンド・ブルーの2色を展開していく。また、キャッチフレーズやロゴに採用されているフォントも新調されている。

 

 クラブとしてのリブランディングを象徴する、クリエイティブ要素を採用したオリジナルグッズもすでに用意されており、この日の夜8時からさっそく公式サイトで受注開始。また、ロックアイスベース内にも、メインコートのセンターサークルをはじめ各所に新ロゴがあしらわれていた。

 

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ブースター、パートナーや地域、チームが一体となって未来に進もう


 千葉ジェッツのこれまでの動きは、ロスターとコーチングスタッフを充実させるというチームとしての基本的な必要条件に始まり、アリーナ構想や今回のロックアイスベースの稼働、またファンとの親密な且つユニークなコミュニケーションの取り方など、非常に力強い。アイディア出すだけには終わらない。千葉ジェッツでは、多くが実行できてきている

 

 田村社長はその要因を「常に挑戦し続けていること」と話した。「現状に満足することなく、何かを達成できたら次へという良いサイクルが会社として回せているところに、パートナーの皆様やチームが呼応するように一緒に盛り上がってくれることが要因だと思っています」という。

 

 例えばロックアイスベースの誕生も、まさしくスポンサーとしての小久保製氷冷蔵株式会社(家庭用に袋詰めで販売される氷製品「ロックアイス」などの製造元)からの支援なしにはあり得ないことに違いない。ただ、その支援は単に取引先同士の金銭的契約に基づくものではなく、両者がまさしく心を通わせて協働する中で飛躍を達成しようと願った結果だった。

 

小久保製氷冷蔵の小久保龍平社長(左から2番目)は、千葉ジェッツへの支援について非常に前向きにとらえている様子だった


 きっかけは、小野龍猛(昨年信州ブレイブウォリアーズに移籍)が在籍していた当時、小久保製氷の小久保龍平社長との会食の場で、「てっぺんを目指す上で、専用練習場があれば最後のひと頑張りができる」といった趣旨の言葉を漏らしたこと。「小久保さん、作っちゃえば?」という小野の無邪気な要望に、小久保は真摯に向き合った。

 

 かねてからスポンサーとして千葉ジェッツを支援していた小久保社長は検討を進め、実際にロックアイスベースを建設する段ではあらためて小久保製氷冷蔵の社内で自ら説明会を開いたそうだ。多くのブースターが社員として活躍していることもあり、このアイディアは理解を得ることができた。「千葉ジェッツの応援をするようになって一番社員が変わったなと思うのは、初めて私に対してお礼を言ってくれたこと」と笑顔を見せる小久保社長の話を聞くと、千葉ジェッツ支援が企業文化に溶け込んでいることがうかがえる。

 

 建てられた場所はロックアイス発祥の地。この場所に、「ロックアイスの名を残したい」という思いが込められたロックアイスベースには、「The Hangar of JETS(ジェッツの格納庫)」という第2の呼び名もつけられた。

 

 これなら地域に根差した企業として、思い入れのある地にブランドの名を残して有効活用していける。千葉ジェッツの存在感を見れば、地域の人々も喜んでくれるだろう。そのような理解が社内で今後いっそう成熟していくように感じられる。

 

 一方、千葉ジェッツは2020-21シーズンのリーグ戦を9連勝で終えたが、それが始まったのはロックアイスベースでチームが初練習をした翌週、4月21日に船橋アリーナで行われたレバンガ北海道相手のホームゲームからだ。小久保社長が語ってくれたエピソードからも、チームの終盤戦の好調ぶりからも、田村社長の言うとおりスポンサーとチームがクラブの積極性に呼応しているように思える。

 

 この日登壇したプレーヤー3人も、「感謝しかない(西村)」、「必要なものがギュッと凝縮されている(佐藤)」、「いい環境でバスケットボールをやらせてもらえてうれしい(赤穂)」と、声をそろえてロックアイスベースの環境の素晴らしさを言い表した。

 

 10年の歴史を経た千葉ジェッツ。2021-22シーズンの「離陸」は、開幕から最高の環境に恵まれた状態で行うことができる。新しいチームロゴが表現するブースター、パートナーや地域、チームが一体となった発展も加速していきそうだ。

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