月バスTOPICS

月バスTOPICS

2020/10/15

コーチ藤岡麻菜美 その土台(恩師、森村義和先生インタビュー映像あり)

今回、『B IS FOR BASKETBALL』での藤岡麻菜美さんの取材はバスケ英語とクロスオーバーが中心でしたが、指導者として今後重要なチーム作りやリーダーシップについてもお話を聞きました。高校時代の恩師である千葉英和高HC、森村義和先生のインタビュー映像と合わせて、ぜひご覧ください。
文=柴田 健 動画=石塚康隆 写真=松村健人

 

当たり前のことの徹底が成長を生む

 

「いいときも悪いときも仲間なので、必ずハイタッチに行こうと決めていました。簡単にできそうで、実はなかなかできないことなんです。いいときはみんなするけど、チームの流れが悪かったりミスが続いたりすると、みんな一人ずつ個人で戦い始めようとするんです」。チーム作りについて、藤岡さんはそう切り出しました。個々のプレーよりも絆を重んじることが勝ちにつながる。そのような考えに基づく日常はチームの規律を育み、それが千葉英和高時代にはインターハイベスト16進出の好成績につながりました。

 

 

 森村先生が、ここで紹介しているインタビュー終了後に思い出したように話してくれたのが“藤岡チェック”。それは校則やチームのルールを守らない同級生に正面から向き合って、「ちゃんとしようよ」と声をかける行為でした。
「バスケットボールをやる以上、技術を磨くのは大事なんですが、それ以前に一人の人間としてどうあるべきか。そこが成長したからこそプレーヤーとして成長できる」と話す藤岡さんがリーダーシップに長けていたことは、チームで勝ち取った好成績が証明済み。説得力があるということでしょう。「それをやらなければそもそもコートに入る資格はないでしょ…みたいな考え方だったので、スカートを折ったりとか第一ボタンを開けたりとか、ネクタイをちゃんと締めないのを見つけると、しっかり徹底してやろうと。それが“藤岡チェック”だと思うんですけど、一人でもやっていない子がいると後輩に言えないので、みんなでちゃんとしていいチームを作っていこうと毎日のように言っていました」

 試合中のコート上では怒っても効き目がないと考え、注意するよりも「こうしよう」という言い方で促し、ルーズボールを追わないとか、誰にでもできることをさぼったときだけ注意しようと心がけたと言います。「そこを徹底すると、みんなが気持ちよくプレーできる感じがして大切にしていました」

 リーダーとして、「ここまでチームが一つになれれば絶対に勝てるという雰囲気作りが大変」という藤岡さんは、その雰囲気が思わぬ形で生まれる体験をしました。それは筑波大4年生時、自身の健康状態が理由で離脱せざるを得なくなったときのこと。時期はインカレ直前、藤岡さんの離脱をきっかけにチームは同じ目標に向かってひとつにまとまっていったと言います。最終的に藤岡さんも復帰して迎えた大会では「あ、これは勝てる! と思ったら、そのまま日本一になることができました」という結末が待っていました。

 「たまに何か違うことを考えちゃったりとか、矢印の方向が違う子がいるものですが、それが一つになった瞬間は、やっぱりみんながハイタッチに必ず行っていました。決めたことを全員が徹底している瞬間は、ああ、いいチームになったな! と思えました」

 

キャリアから学んだ人とのかかわり方

 

 こうしたリーダーシップの基盤になっているのは、自力で局面を打開する意欲。藤岡さんは学生時代、できあがった強豪ではなく、自分たちで考えてプレーするチームを選んできました。小学生時代に友達に誘われて入った中山MBCこそ全国区の強豪だったとはいえ、中学校(市川四中)は専門の指導者がおらず、千葉英和高も入学当時は県でベスト8に入るかどうかのチーム。「自分の力で全国大会に連れていきたい気持ちがすごくありました。強豪にはそれぞれ良いところがありますが、ヘッドコーチの考えでやらされるバスケではなく、自分たちで好きなバスケ、考えるバスケをして全国大会のような目標に向かって一つになっていくことにやりがいを感じて、そういう道を選んできました」
 大学卒業後加入したJX-ENEOSサンフラワーズは、一転して日本一が当然の環境。下剋上の立場と女王の座のどちらも経験したことで、指導者としての今後に必要な人とのかかわりあいを異なる方向から学ぶ機会になりました。「一方に足りない考えや取り組み方、もう一方に足りないもの、人としてどうあるべきかを学べたので、今後指導者として子どもたちにかかわっていくときに、どちらのタイプにも適切な声をかけていけたらいいなと思うし、そこを強みにしたいと思います」
 最後に「まだプレーできる状態で引退しましたが、自分の本当の気持ちにうそをつかずに、すべてにおいて取り組んでほしいと思います」と、これから子どもたちに向けてメッセージをくれた藤岡さん。自身も子どもたちに本音で向き合う指導者として、今後千葉英和高のチーム作りにどんな貢献をもたらすか楽しみです。

 

 

(月刊バスケットボール)


あなたはどう思う?コメント書く

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください