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2021/01/15

【インタビュー】U15の枠を飛び出た15歳、小泉広翔 - B.DREAM PROJECT 2021 PROSPECT

サンロッカーズ渋谷 U15に所属する小泉広翔。この日体験したぶつかり合いの一つ一つが今後のプラスになるだろう

 

年長者相手にひるまず挑戦を楽しんだ

 

 サンロッカーズ渋谷のチームカラーであるイエローのシャツの上に、このトライアウトのリバーシブル・ウエアを着た小泉広翔は、ポイントガードとして経験豊富な年長の参加者たちに挑んでいた。
 まだ15歳。最終日のスクリメージに参加したプレーヤーの中で、同じくサンロッカーズ渋谷 U15に所属する191cmの大森康瑛とともに最年少だ(初日には彼らを含め、同ユースクラブから15歳のプレーヤーが5人参加していた)。身長180cmはこの日集まったプレーヤーの中ではちょうど真ん中あたり。華奢な体つきはまだまだ発展途上だが、激しいプレーぶりからは線の細さよりもポテンシャルの高さのほうが強く感じられた。
 遠慮なくプレッシャーをかけられ、ボール運びでバランスを崩したりボールを失うことがあった。何とかフロントコートに入ったら、高い位置でスクエアアップすることも簡単ではなさそうだった。
 しかし、プレッシャーにひるむことなく対処した。体でボールをガードしながらしっかり前方をうかがい、アグレッシブにクローズアウトしてくる相手の裏をかくアタック。味方にチャンスを生み、自らもフィニッシュしてくる場面があった。ディフェンスでは細かく素早いフットワークで相手にまとわりつき、腕を絶えず高い位置に維持して戦い続けた。
 バスケットボールで生きていこうという意欲に駆られた年長の猛者たちを相手に、すべてを完ぺきにこなせたとは言わない。しかし挑戦を十分に楽しめていただろう。リーグ広報に小泉への取材を申し込んだ。

 

――自分のプレーを紹介するとしたら、どんなプレーヤーということになりますか?
小泉 ドライブとかピック&ロールから攻めて味方にパスしたり、自分でそこから切り崩してシュートにいくというのが得意なプレーです。ディフェンスからハードにやって、速攻につないでチームの流れを作れるような選手になりたいです。
――ポジションはポイントガードということでいいですか?
小泉 普段はフォワードをやっているんですけど、今はポイントガードでやりたいと思っています。チームだと身長が大きい方なのでガードはやっていないんです。
――それにしてはうまかったですね! ナイスプレーでした。
小泉 ありがとうございます。
――好きな選手はいますか?
小泉 富樫さん(千葉ジェッツの富樫勇樹)です。一度1対1をしたこともあって、参考にしたり、いっぱい見てイメージしています。
――となると、目指しているのは本当にガード系のプレーヤーですね。
小泉 はい、そうです。

 

 自分のことを説明する小泉の答えは明快で迷いがない。頭の中で物事が整理されているからだろう。プレーぶり同様、丁寧な受け答えも真面目で熱烈な印象だ。バスケが好きなんだな、と感じる。
 それにしても、普段と違うポジションで、見るからに自分よりも大きくて強い年長者たちを相手にしてあれだけできるのか…。


「3年後、米須玲音さんみたいになっていたい」

 

――お世話になった人と言えばどんな人が浮かびますか?
小泉 今、サンロッカーズ渋谷のユースでヘッドコーチをされていて、もともとはbjアカデミーのときから教えてもらっている木村一明コーチです。小学校3年生ぐらいのときからU12に飛び級してやらせてもらったり、4年生のときには中学3年生と毎週の土日に一緒にやらせてもらったりして、いろんなスキルだったり考え方を教わって。それで今の自分になれたと思っています。
――将来の夢を教えてください。5年後、10年後にどんな状態になっていたいですか?
小泉 3年後でもいいですか?
――もちろん大丈夫です。
小泉 東山高校に入ることが決まっていて、3年後は高校3年生になるので、その頃に米須玲音さん(同校3年生)みたいにチームを鼓舞して大事なところでシュートを決められるような選手になっていたくて。そのあとはやっぱりプロになりたいのでBリーグ! 今、英語も勉強しているので、自分で頑張っていけるところまで、NBAも…と思っています。
――今の自分に加えたいものは何ですか?
小泉 体が細いので、高校に入る前にもっとフィジカルを高めたいのと、あとはシュートの決定率です。アウトサイドもレイアップも決定力が足りなくて…。あとアシストも、もっと精度を高めてしっかりとしたいです。スペースだけではなく味方が動いた瞬間に出せるようになりたくて、いろんな選手を参考にしています。
――今日うまくいったこと、いかなかったことを教えてください。
小泉 アタックとか運ぶときはしっかりできたんですけど、あたられたときに最後のシュートまでいくかどうかの判断だったり、スペーシングだったり。今日は自分で狭くしてしまったところもありました。そういうところは、大学生は体の使い方やスペースのとり方がうまいので、まだまだだなという感じです。


 この取材を行った1月10日から3日後、米須が特別指定選手として川崎ブレイブサンダースに加わることが発表された。憧れの存在がステップアップしたことにより、「3年後に米須のようになりたい」という小泉のコメントが図らずも、「3年後にBリーガー」と同じ意味合いを帯びる状況になった。
 憧れの存在について話す小泉の様子は夢見る少年そのものだったが、こうなってくると、夢というよりももっと身近で具体的な“3年計画の目標”といったほうがよさそうだ。一つ一つの努力を楽しみながら前進する姿を見守らせてもらいたい。

 

スピードに乗ったドライブでゴールに向かう。こんなシーンも何度もあった

 

写真/©B.LEAGUE
取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

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