月刊バスケットボール5月号
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馬場 雄大
SF/198 cm
メルボルン・ユナイテッド[/caption]

 

[東京2020 男子日本代表の横顔]

身体能力とスピードあるトランジションが魅力

 

 富山第一高時代から、ボール運びからペイント内でのポストプレーなど、オールラウンダーとして縦横無尽のプレーを見せていた馬場。ちなみに、父(俊春氏)は身長200cmの元日本代表で、大型ガードもこなす器用さを持ち合わせたプレーヤーだった。

 そんなサラブレッドのDNAを持つ馬場は、高校2年でU18男子日本代表に飛び級するなど、早い段階から国際大会でも高い能力を披露。さらに進学した筑波大では、目覚ましい活躍でチームの中心プレーヤーとして君臨。チームのインカレ(全日本学生選手権)3連覇に貢献している。そして、在学中(2017年6月)にアルバルク東京と契約しプロデビュー。2018年と2019年には2年連続でBリーグオールスターにファン投票1位で選出され、優勝にも一役買っている。

 その後、2019年にはNBAダラス・マーベリックスでサマーリーグに参戦。プレシーズンゲームにも出場し、Gリーグ(NBAの傘下)のテキサス・レジェンズと契約を結んだ。

 日本代表としては、2019年ワールドカップのアメリカ戦でリーディングスコアラーとなる18得点を稼いで奮闘。日本代表には欠かすことのできないプレーヤーとなった。さらに、2020年には「NBA入りを狙うための次なるステップ」(馬場)のために、NBL(オーストラリアのプロリーグ)メルボルン・ユナイテッドに所属。グランドファイナル(優勝決定シリーズ)第2戦の前半終了間際にはセンターライン手前からのブザービーターも決めるなど、ハッスルプレーを連発。最終的にはユナイテッドのNBL優勝に貢献した。これまでに数多くのNBAプレーヤーを輩出してきたハイレベルなリーグでの活躍は、Gリーグでのプレー経験も含めて馬場にとって大きな財産になったはずだ。

 そんな馬場の持ち味は、何と言っても身体能力の高さ。198cmのサイズもさることながら、高く跳んでディフェンスの上から豪快にたたき込むダンクは圧巻。さらに、スピードに乗ったトランジションや激しいディフェンスなども見応え十分で、激しい闘志でチームに勝利を呼び込む。

 NBAで活躍する八村や渡邊に対し、「2人から刺激をもらっています。僕からしてみると、彼らの活躍が大きければ大きいほど刺激的でありがたいことです」と馬場。2人が大きな活力となっているようだ。

 そんな八村や渡邊と同じく“海外組”として、日の丸を背負って東京2020オリンピックに臨む馬場。この3人が海外でのプレー経験を生かし、どのようなハーモニーを奏でるのかに期待したい。

(山本達人/月刊バスケットボール)



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