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2021/06/26

B3アルティーリ千葉に電撃就任 - 世界4強指揮官アンドレ・レマニスの素顔(2)

 レマニス氏はラトビア系オーストラリア人で、2016年から現在進行中の2020-21シーズンまでの5シーズンに渡り、オーストラリアのトップリーグであるNBL(National Basketball League)のブリスベン・バレッツのヘッドコーチを努めている。2018-19シーズンに比江島 慎(現宇都宮ブレックス)が在籍したチームだ。
 男子オーストラリア代表ヘッドコーチとしての特筆すべき功績は本人が語っているとおり。戦術的な特徴をいくつか挙げれば、ハーフコート・オフェンスでは人の動きの中でボールが3人、4人の手に渡り、高確率が期待できる得点機でショットが放たれる。ミスマッチやフロアバランスの崩れを生み出すことで、自チームのプレーヤーの強みを最大化して攻める。ディフェンスではスカウティングに基づき、相手の強みと弱みを見極めて嫌がることを執拗にやり続ける。
 さらにレマニス氏と会話を続けた。

 

ズームインタビューでにこやかに対応してくれたレマニス氏。バスケットボールの話はとめどなく続けられそうな情熱家だ

 

オリンピック、ワールドカップベスト4の戦術


――人の成功の助けになることがあなたの成功ということがわかりました。でも、ご自身で一番の成功といったらどんなことが挙げられますか? 男子オーストラリア代表での数々の功績もありますね。

 キャリアは旅のようなもので、一つだけ成功を選ぶのは難しいのですが、先ほど話したとおりNBA入りした2人のことはもちろんそれにあたりますね(パート1参照)。
 コート上でチームとして成し遂げたこととしては、オーストラリアの国内リーグで3回チャンピオンになれたこと(2011年から2013年にかけて、ニュージーランド・ブレイカーズをNBL三連覇に導いた)。オリンピックで4位、ワールドカップでも4位になれたこと。これは男子オーストラリア代表チームの史上最高タイの成績なので、誇りに思ってよいかなと。
 でも、実は同時に、信じられないほど悔しいことでもあるんですよ。メダルまで本当にあと少しでしたから。男子のオーストラリア代表はまだオリンピックでもワールドカップでもメダルを獲ったことがないんです。
 しかもメダルがかかった大勝負で、同じ相手(スペイン)に2度(リオオリンピック3位決定戦とFIBAワールドカップ2019準決勝)、大接戦の末に負けたのですから。ワールドカップの準決勝は延長を2度やって…。あのときは第4Qの終盤に逆転フリースローの機会もありました。あそこまでいって母国にメダルを持ち帰ることができなかったのは本当に悔しかったですね…。
 でも、あのワールドカップに向けた準備でアメリカと2回対戦したときのことは、逆に感激の思い出です。男子オーストラリア代表は親善試合でも大会でも、過去にアメリカに勝ったことがなかったんですが、メルボルンのフットボールスタジアムで50,000人の観客を集めて、素晴らしい状況で2試合やらせてもらい、その2試合目で史上初めてアメリカに勝つことができたんです。
 そこに集まってくれた人たちや、長年オーストラリアのバスケットボールを支えてきてくれた協会の人たちが、目に涙を浮かべて泣きながら抱き合っているのを見て、本当に良かったと思えました。会場を後にするときに、ファンが盛り上がって幸せそうな様子を見て感激でしたね! たくさんの人たちに喜んでもらえたあの勝利はものすごくうれしくて、特別な思い出です。
 代表に関して言えば、私が就任したときに確か世界ランキング13位だったと思うのですが、昨年離任した時点では3位で、男子オーストラリア代表のランキングとしては史上最高の位置でした。これも成功と言えそうです。アジアカップにも勝てましたしね!

 

――本当にあなたのような方を千葉の町に迎えることができ、楽しみでなりません。

 

 私こそ楽しみです。ワールドカップ予選では、千葉ポートアリーナで日本代表と対戦したので、しばらく千葉に宿泊する機会がありました。とても良い町で、親切にしてもらって楽しく過ごさせてもらいましたよ。
 残念ながらあの試合は負けてしまいましたが、素直に日本代表の頑張りを称えたいと思いました。今回その千葉に戻って、皆さんと仲良くやるのですからいっそう楽しみです。なんといっても今度は私がホームチームの一員になれるのですからね! 皆さんの応援を受けながら素晴らしい体験ができるのを楽しみにしています。日本には知り合いやコーチ仲間がいて、楽しい体験ができるから早くおいでと言われているんですよ。

 

――あのとき、知り合いの日本代表のファンの一人が、マシュー・デラベドバ(男子オーストラリア代表のポイントガードで、現在NBAクリーブランド・キャバリアーズに所属)と話す機会があったんですよ。とても親切だったと話していました。

 

 マシューのように親切な人間はなかなかいません。大きなことを成し遂げた後でも謙虚な姿勢は変わらないし、ファンのために時間を割いて楽しく話せる人間です。彼のようなメンバーと一緒にやりたいものですね。

2018年6月29日に千葉ポートアリーナで行われた日本対オーストラリア戦より

(写真/©fiba.basketball)

 

 

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取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)

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