月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.05.18

琉球対千葉、カギはホームコートアドバンテージの行方 - B1チャンピオンシップセミファイナル展望(2)

 琉球ゴールデンキングスと千葉ジェッツのセミファイナルは、2018年のセミファイナルと同カード。このときは2勝0敗で千葉がファイナルに進出している。また、両チームとも3シーズン連続のセミファイナル進出となる。
千葉はリーグ戦を9連勝で終えてチャンピオンシップに突入し、クォーターファイナルも2連勝で勝ち上がった。その戦いぶりは“怒涛”という言葉が似つかわしく、強烈な勢いを感じさせる。

 

両チームは直近の2試合を沖縄アリーナで戦い、どちらもハイスコアリングな展開を千葉が制している(写真/©B.LEAGUE)

 

 千葉はリーグ戦においてB1全体の2位にあたる平均89.0得点を記録した。ディフェンスを頑張ってリバウンドを奪い、5人全員がトランジションに参加して力強く攻める。三河とのクォーターファイナル初戦は105得点を奪っており、2点差の接戦となったGAME2も、後半三河のディフェンスに苦しみながらも80得点を奪って勝ち切った。
一方の琉球は、4月・5月のリーグ戦10試合を4勝6敗と負け越している上、ホームの沖縄アリーナで通算3勝5敗(リーグ戦1勝4敗、クォーターファイナル2勝1敗)と、本来期待すべきアドバンテージを享受できていない。しかもリーグ戦における沖縄アリーナでの4つの黒星のうち、2つが千葉に対するものだ。

 しかし、富山グラウジーズ相手のクォーターファイナルでは、ビッグマンをフィーチャーしたツーメンゲームでアタックしてくる相手に対してジャック・クーリー、キム・ティリらが体を張って対抗。フィジカルなバトルで威力を見せつけた。また、GAME1とGAME3で今村佳太の3Pショットが当たりを見せたのも、琉球サイドのファンとしては心強いにちがいない。
今村だけでなく岸本隆一ら琉球のショットメイカー、また富樫勇樹や田口成浩ら千葉のバックコート陣が、フロア上に描かれたヤシの木の図柄から放つ“ココナッツスリー”をどんな確率で決められるかといった、ある意味勝負とは直接関係しない要素も、このシリーズを見る楽しみを与えてくれる。完成したばかりの話題のアリーナで、どちらも是が非でも勝ちたい大一番という形だ。

 最大のカギは、沖縄アリーナに“引っ越して間もない”琉球が、ホームコートアドバンテージを発揮できるかどうかではないだろうか。岸本はリーグ戦中に、沖縄アリーナで自分たちが意気揚々とプレーするのと同じくらい対戦相手のテンションも上がっていることを会見で吐露していたし、キャプテンの田代直希は、新たなホームアリーナで自分らしさを発揮するのに時間がかかったことを明かしていた。しかしクォーターファイナルを3試合戦ったことで、ホームの感覚を体に染み込ませることもできたことだろう。

 一方、富樫はチャンピオンシップにおける自チームに非常に力強い手応えを感じている様子で、本人も電光石火のクイックネスと勝負強さを随所に見せている。簡単に引き下がるわけはない。どちらが自分たちらしさを発揮するか、目が離せないシリーズになりそうだ。

 

■B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21 SEMIFINALS
Bリーグチャンピオンシップセミファイナル
※2戦先勝方式でGAME3は、GAME2終了時点で1勝1敗となった場合のみ開催される
※放送・配信= NHK BS1(全試合放送)/ バスケットLIVE/スポーツナビ/スカパー! Bリーグセット/Amazon Prime Video チャンネル/DAZN/Hulu(全試合生中継・ライブ配信)

 

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琉球ゴールデンキングス(40勝16敗、西地区1位) vs. 千葉ジェッツ(43勝14敗、東地区2位)
会場: 沖縄アリーナ
GAME1 5/22(土)16:05
GAME2 5/23(日)16:05
GAME3 5/24(月)19:05
※シリーズ勝者は宇都宮ブレックス対川崎ブレイブサンダースの勝者と決勝で対戦

 

今シーズンの対戦成績 千葉3勝 琉球1勝
2021.01.02 琉球80-70千葉
2021.01.03 千葉80-74琉球
2021.04.28 千葉99-87琉球
2021.05.05 千葉97-89琉球

 

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B.LEAGUE 2020-21POSTSEASON特設ウェブサイト
https://www.bleague.jp/postseason/2020-21/

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)

 



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