月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2021.05.18

宇都宮対川崎、先に崩れるのはどちらか? - B1チャンピオンシップセミファイナル展望(1)

 B1チャンピオンシップセミファイナルで相まみえる宇都宮ブレックスと川崎ブレイブサンダースは、2017年のファイナルでも対戦した因縁を持っている。このときは宇都宮が勝利を手にし、初代Bリーグ王者の称号を手にした。しかし今シーズンは、リーグ戦で川崎が3勝1敗と勝ち越しており(スコアは文末を参照)、両チームの対戦となった天皇杯決勝でも川崎が勝利を収めている。

 さらに直接対決において、宇都宮はホームのブレアリで川崎に勝っていない。こうしたデータからは、シードとしては東地区優勝の宇都宮が上位ながら、このシリーズにおいてはアウェイの川崎に分があるようにも思える。

 


上位は宇都宮だが対戦成績では川崎に分がある両チームが雌雄を決する(写真/B.LEAGUE)

 

 両チームはどちらも、ディフェンシブな展開を持ち味としている。宇都宮はリバウンドがリーグ3位の平均35.9本(うちディフェンスリバウンドは25.3本)、ブロックショットがリーグ3位の平均3.2本、スティールがリーグ4位平均7.2本。一方の川崎もリバウンドがリーグ6位(34.2本、うちディフェンスリバウンドが24.2本)、ブロックショットもリーグ5位(2.8本)、スティールがリーグ3位(7.8本)だ。イメージだけではなくスタッツ上も、このシリーズはディフェンス面におけるリーグのエリート同士の激突だ。それを反映するかのように、直接対決の結果も比較的ロースコアの接戦が多かった。
その中で宇都宮が勝利したのは50点台の徹底した守り合いになったケース。宇都宮側から見れば、ほつれのないチームディフェンスを川崎の藤井祐眞、辻 直人、篠山竜青らバックコート陣のペイントアタックとトリッキーなプレーに崩されると厳しい展開になる。川崎側の視点に立てば、ファンの間で“ツジーカス”と呼ばれるニック・ファジーカスと辻のツーメンゲームをはじめインサイド、アウトサイドにボールとプレーヤーが動いて相手のスキを見出すことができれば、勝機が見えてくるだろう。
とはいえリーグ戦は過去のこと。どちらもクォーターファイナルは2連勝だ。実力が伯仲し、相手のスキを突くのがうまい両チームだけに、忍耐を要求される戦いの中で決意と自信をぐらつかせたほうが不利になる。先に崩れるのはどちらか…。いずれにしても白熱したシリーズになるにちがいない。

 

【関連記事】 宇都宮ブレックスがB1東地区で優勝

 

■B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2020-21 SEMIFINALS
Bリーグチャンピオンシップセミファイナル
※2戦先勝方式でGAME3は、GAME2終了時点で1勝1敗となった場合のみ開催される
※放送・配信= NHK BS1(全試合放送)/ バスケットLIVE/スポーツナビ/スカパー! Bリーグセット/Amazon Prime Video チャンネル/DAZN/Hulu(全試合生中継・ライブ配信)


宇都宮ブレックス(49勝11敗、東地区1位) vs. 川崎ブレイブサンダース(43勝16敗、東地区3位)

会場: ブレックスアリーナ宇都宮
GAME1 5/21(金)19:05
GAME2 5/22(土)18:35
GAME3 5/24(月)19:05
※シリーズ勝者は琉球ゴールデンキングス対千葉ジェッツの勝者と決勝で対戦

 

今シーズンの対戦成績 川崎3勝 宇都宮1勝
2020.12.02 川崎67-60宇都宮
2021.03.03 宇都宮58-54川崎
2021.04.24 川崎58-57宇都宮
2021.04.25 川崎75-67宇都宮
※天皇杯決勝 川崎76-60宇都宮



【関連記事】 セカンドユニットを軸に“チーム”で上回った川崎が負けられない一戦を制す


B.LEAGUE 2020-21POSTSEASON特設ウェブサイト
https://www.bleague.jp/postseason/2020-21/

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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