月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.05.21

川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックス - B1チャンピオンシップセミファイナル展望

 サイズのあるフロントラインを軸に名古屋ダイヤモンドドルフィンズをスウィープした川崎に対し、タフなディフェンスと勝負強いロングレンジゲームでディフェンディングチャンピオンの千葉ジェッツに連勝した宇都宮。いずれも経験豊富な日本代表のリーダーを持ち、フィジカルさとディフェンスに対する意識の高さを特徴とするチーム同士。この対戦は戦術的な差で以上に、忍耐力とそれを表現する遂行力をより発揮できた方に勝機が訪れるだろう。そういう意味では、カギを握る個別の要因は、藤井祐眞と比江島 慎がリーダーシップをどんな形で発揮するか、またチームとしてその力をいかに発揮させるかではないだろうか。特に川崎では、直前にコロナ陽性例が見つかったことでチーム活動に若干の影響があったとのことで、メンタル面の悪影響を排除して試合に臨むという意味でも、マネジメントと中核プレーヤーの姿勢は重要になるに違いない。

 


川崎では藤井祐眞のキャプテンシーも大きな要因(©B.LEAGUE)


今シーズンのリーグ戦における対戦成績は宇都宮が2勝1敗と勝ち越している。しかし天皇杯準決勝では川崎が勝利しており、基本的には五分五分と言えるだろう。リーグ戦での3試合はいずれも一桁点差で、うち2試合は4点差以内。セミファイナルでは、両チームのフロントラインはいかに根気よくお互いをディフェンスできるだろうか。また、フィジカルな消耗戦の中で、両チームのアグレッシブなバックコートとウイング陣がミドルレンジ、ロングレンジからどんなアタックを見せ、どんな精度でショットを沈めるだろうか。


最も点差が開いた天皇杯準決勝では、ファウル数で川崎の11に対し宇都宮21と約2倍の差があり、川崎がフリースロー14本を決めたのに対し川崎は6本だった。最終的な結果は82-72の川崎勝利。フリースローの8本差も大きく響いていたが、セミファイナルのシリーズでもこうした要素が勝負を分けることになるのではないだろうか。1つのポゼッション、1本のフリースローを見逃せないエキサイティングなシリーズになりそうだ。

 


クォーターファイナルでは攻守で勝利に対する強い執念を感じさせた比江島 慎(写真は4月20日の対川崎ブレイブサンダース戦より ©B.LEAGUE)

 


☆川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックス セミファイナル日程(会場:川崎市とどろきアリーナ)
5月21日(土) 15:05
5月22日(日) 16:05
5月23日(月) 19:05


☆対戦成績
2021-22リーグ戦 川崎1勝、宇都宮2勝
10月8日(ブレックスアリーナ宇都宮) 川崎×68-77◯宇都宮
10月9日(ブレックスアリーナ宇都宮) 川崎◯78-76×宇都宮
4月20日(ブレックスアリーナ宇都宮) 川崎×64-68〇宇都宮
天皇杯(準決勝) 川崎〇82-72×宇都宮

 

☆両チームのリーグ戦キースタッツ
※各項目とも数値の右のカッコ内はリーグ順位
※ターンオーバーは少ない方から上位
川崎
東地区2位(二地区間1位) 42勝13敗(勝率.764)
平均得点 88.2(1位)
フィールドゴール成功率 48.5%(1位)
3P成功率 36.0%(6位)
フリースロー成功率 73.8%(14位)
平均リバウンド数 37.7(6位)
平均アシスト数 24.6(1位)
平均スティール数 7.6(5位)
平均ブロック数 3.0(4位)
平均ターンオーバー数 12.0(9位タイ)

 

宇都宮
ワイルドカード上位(東地区4位) 40勝16敗(勝率.714)
平均得点 79.8(13位) 
フィールドゴール成功率 46.6%(9位)
3P成功率 34.5%(9位)
フリースロー成功率 72.7%(17位)
平均リバウンド数 38.3(4位)
平均アシスト数 20.4(13位)
平均スティール数 6.9(11位)
平均ブロック数 3.1(3位)
平均ターンオーバー数 10.9(3位)


☆両チームのリーグ戦トップパフォーマー
川崎: ニック・ファジーカス(平均19.7得点=リーグ3位、平均8.9リバウンド=リーグ10位)、藤井祐眞(平均5.5アシスト=リーグ6位、3P成功率38.8%=リーグ8位)、ジョーダン・ヒース(平均1.5ブロック=リーグ2位)、パブロ・アギラール(平均1.6スティール=リーグ1位)
宇都宮: ジョシュ・スコット(平均9.8リバウンド=リーグ5位、平均1.3ブロック=リーグ5位)、比江島 慎(3P成功率42.0%=リーグ6位)



(月刊バスケットボール)



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