月刊バスケットボール5月号

大学

2022.04.30

【日筑戦女子】御子柴百香(日体大)×池田沙紀(筑波大)のキャプテン対談

 日体大と筑波大の定期戦、通称“日筑戦”が今年も4月17日、日体大世田谷キャンパスにて開催された。新シーズンが始動するにあたって、重要な腕試しの場となる本定期戦。昨年は筑波大の快勝だった女子本戦だが、今年は最後まで勝負の分からない大接戦となった。ここではそのゲームレポートと、試合後に行った#20御子柴百香(日体大)×#2池田沙紀(筑波大)のキャプテン対談の模様をお届けする!

 

 

女子本戦は日体大が筑波大に昨年のリベンジ!

 

 先手を打ったのは日体大。#20御子柴の3Pシュートや#3小野寺佑奈の1対1などで快調に得点を重ね、1Qを終えて20-14とリードを奪う。だが対する筑波大も、2Qに入って#13田中万衣羽と#27柳瀬柚奈の3Pシュート、#21八十川ゆずゆのドライブなどで反撃。結局、32-32の同点にして試合を折り返した。

 

 3Qに入り、まずは#2池田が3Pシュートを決めて筑波大が流れをつかもうとするが、日体大も#20御子柴が3Pシュートを決め返して一歩も譲らない。日体大は堅いディフェンスで失点を抑え、その間に要所で#10小林きあら等が3Pシュートを決めて一時7点リードに広げた。ただ、筑波大も#14朝比奈あずさのフリースローなどで食らいつき、3Q終盤には#17古谷早紀がジャンプシュートを決めて点差を5点(50-45)に縮めて最終Qへ。

 

 勝負の4Q、先に流れをつかんだのは筑波大。#13田中がスティールからワンマン速攻を決めるなど連続得点を挙げ、逆転から4点リードに成功する。だが日体大はタイムアウトを挟んでディフェンスを引き締め、リバウンドやルーズボールにも粘りを見せるように。どちらに勝負が転ぶか分からない接戦の中、日体大は落ち着いて#6ムボムボ・ムロロ・ファーロンにボールを入れてゴール下で加点。勝負どころを制し、64-58で日体大が勝利を飾った。

 

 堅いディフェンスと要所での3Pシュート(この試合7本成功)が光った日体大。個人能力が高い筑波大に何度となく流れをつかまれたが、そのたび我慢の時間帯に耐えて見事に昨年のリベンジを果たした。

 

今季の意気込みを語る女子キャプテン対談

御子柴 百香(日体大4年/163cm/東海大付諏訪高)×

池田 沙紀(筑波大4年/158cm/岐阜女高)

 

 

――まずは日筑戦の振り返りからお願いします。

 

御子柴 コロナの影響でチーム活動がストップしていた時期があり、チーム練習が十分にできていない中での試合でした。その中で「チームディフェンスとリバウンド」というテーマを決め、その2つだけは1試合貫こうと。実際、ディフェンスに関しては手応えや収穫をつかめたと思います。ただ、リバウンドでは触ったボールを取り切れずに相手に点数をあげてしまう場面が多くあったので、そこは今後の課題にしたいです。

 

池田 自分たちは「速い展開のバスケット」を目指していますが、今日の試合ではそれをあまり出せなかったと思います。それにリバウンド、ルーズボールのところが今年のチームはずっと課題に挙がっていて、今日の試合でもそこは改善できていなかったと思うので、これからもっとその部分を意識して練習していきたいです。

 

――自分個人の出来はいかがでしたか?

 

御子柴 私はディフェンスが持ち味なので、試合を通してディフェンスで激しく当たっていこうと意識していました。ただ、前半から少しファウルがかさんでしまったので、今後はもっと審判さんの笛を自分で分析してアジャストいければと思います。3Pシュートに関しては、空いたら迷わず打っていこうと思っていたので、それがしっかり決まったことは良かったです。

 

池田 私はガードとして、ゲームコントロールしつつ得点に絡んでいければと思っています。特に今日の試合は終盤も点数で負けていたので、積極的に攻めていこうという気持ちでコートに立ちました。でもまだまだ課題が見えたので、もう少しトーナメントに向けて改善していきたいです。

 

――試合をしてみて相手チームの印象は?

 

御子柴 筑波大の皆さんはインサイド、アウトサイド関係なく、みんながオールラウンドに外も中も攻められるのがすごく強いなと感じました。また、リバウンドにも全員が絡んでくるので、自分たちがされたくないことをされるなという印象がありました。

 

池田 日体大は中と外のバランスが良いなと思いました。力強いセンターも、外からシュートを決められる選手も、スピードのあるガードの選手もいて、的を絞りにくかったです。また、今日はルーズボールやリバウンドなど泥臭い部分に全員で絡んでくるシーンがすごく印象的で、自分たちもまねして頑張らなければいけないなと思いました。

 

 

――それぞれ、今年の自分たちのチームカラーを教えてください。

 

御子柴 すごくチームのつながりが強いと思います。みんな寮で生活していて、前まではほかの部活の子たちも交ぜて同じ部屋だったのが、今年からコロナの感染対策のためにバスケ部同士で同じ部屋になりました。だからより日常生活からみんなで生活できていて、それが学年関係なく仲のいいチームカラーにつながっていると思います。

 

池田 自分たちも日体大さんと同じように、学年関係なく仲が良いのでそこはチームの良いところだなと思います。プレー面では背の高い選手も多いので、そこの高さを生かしつつ全員でもっと機動力を上げたチームを目指して今練習しています。

 

――キャプテンとして何か意識していることはありますか?

 

御子柴 今日は不在ですが、安江沙碧梨がゲームキャプテンで自分がチームキャプテンという役割分担をしていて、2人でチームを引っ張っていこうと。日々の練習の中では、泥臭いところや走るバスケットをチームに徹底させたいと思っています。また日常生活の部分でも、キャプテンは日体大のバスケット部を背負って生活していると思うので、そうした自覚を持って周りに目を配りながら生活することを意識しています。

 

池田 キャプテンとして言葉でチームをまとめることももちろんなのですが、行動でもチームを引っ張りたいと思っていて。チームの誰よりも練習するとか誰よりも声を出すとか、そういう当たり前のことをやっていけば、きっとみんなも付いてきてくれるはずだと思って意識しています。

 

――話は逸れますが、背番号を決めた理由はありますか?

 

池田 あまり深い意味はないのですが、高校までは全員4番以降の数字だったので、だったら1から3のような今まで着けたことのない番号がいいかなって。それで何となく2番にしました。

 

御子柴 私もそんなに深い意味はなく、高校でたまたま練習中につけていたビブスが20番だったので、そのまま20番にしました。

 

――では、キャプテンから見た今シーズンのキーマンを教えてください。

 

御子柴 やっぱりもう一人のキャプテンである安江沙碧梨に注目していただきたいです。彼女はもちろん3Pシュートも入りますし、何よりファンダメンタルの部分がチームで一番上手で、周りのこともすごく見える選手なので、そうしたいろんなプレーに注目してほしいです。

 

池田 みんなそれぞれ持ち味があって迷うのですが、キーマンとして挙げるなら13番の田中万衣羽です。3年生で、背はあまり大きくないのですが(160cm)、ディフェンス力や得点力が高い選手で、今日もそうした持ち味を生かして流れを呼び込んでいました。ぜひ今後も注目してほしいです。

 

 

――では最後に、今シーズンの意気込みをお願いします。

 

御子柴 今シーズンの目標は「ベスト4以上」というのをチームで掲げて目指しています。間もなく始まるトーナメントでしっかりベスト4に入れるようにやっていくこと、そしてインカレではベスト4を超えて日本一になれるように、それぞれがチームで求められている役割をしっかり全うしたいです。自分個人としては、持ち味であるディフェンスでチームに流れやチャンスを呼び込めるように、ディフェンスをもっと磨いていきたいです。

 

池田 私たちの目標は日本一なので、まずトーナメントから優勝を狙えるように。もう時間はあまりありませんが、今日の試合の反省点などをしっかり改善していきたいです。トーナメント、リーグ、インカレとしっかり結果を出せるように、チーム一丸となって頑張っていければと。個人としてはラストシーズンなので、コートの中でもそれ以外でも周りから頼られるキャプテンになれるように、日頃の行動から高い意識で取り組んでいきたいです。

 

 

 

取材・文・写真/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

 



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