月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.04.11

渡邊雄太がラプターズのレギュラーシーズン最終戦4得点、4リバウンド - いよいよプレーオフへ

 日本時間4月11日(北米時間10日)にニューヨークのマディソン・スクエアガーデンで行われたニューヨーク・ニックス対トロント・ラプターズの一戦で、渡邊雄太が2試合連続出場を果たした。試合には94-105で敗れたが、渡邊は11分19秒の出場で4得点、4リバウンド、2アシスト、1スティールを記録するなどアクティブなプレーを見せた。

 


渡邊の得点シーンは第4Q残り2分56秒に左サイドからドライブを仕掛けて決めたレイアップと、残り38秒のフリースロー。ロングレンジのシューティングタッチは今一つのままだが、ディフェンスでは長身プレーヤーから小柄で強烈なスピードを持つ相手のポイントガード、イマニュエル・クイックリーまで柔軟にマッチアップして力になっていた。また、第4Qには劣勢の中ミスコミュニケーションでトランジション・ディフェンスがもたついた状況が生まれ、「どうした、速く戻れ!」というようなしぐさで渡邊がチームメイトを鼓舞するシーンもあった。


渡邊はレギュラーシーズンを通じて38試合に平均11.7分出場して4.3得点、2.4リバウンド、2.0アシスト、0.6アシスト、0.3スティール、0.4ブロックのアベレージを残した。これらの項目で昨シーズンを上回ったのはブロック(昨シーズン0.38に対し今シーズン0.42)のみ。故障や新型コロナウイルス陽性判定などの不運が続く中、渡邊本人としても不本意な成績だったに違いない。しかし、48勝を挙げプレーオフ直接進出を決めた強豪チームの一員として、忍耐強く自信と向き合いバスケットボールに取り組んだ今シーズンは、これからのキャリアで大きな力となるに違いない。また、シーズン最後の2試合で一定以上の出場時間を得たことで、実戦感覚も改善してきていることも感じられる。2日前のヒューストン・ロケッツとの試合では、速攻でコンタクトを受けながらレイアップを沈めた。またこの2試合でプレーした23分19秒間にターンオーバーを一つも犯さなかったことや、今シーズン不調のフリースローを3本すべて成功させたことなどはその兆候だ。自身初のプレーオフに向け、厳しい現状の中でもベストに近い形でレギュラーシーズンを終えられたのではないだろうか。


この試合でレギュラーシーズンの全日程を終了し、通算成績が48勝34敗(勝率.585)となったラプターズは、イースタンカンファレンス5位でプレーオフに臨むこととなった。プレーオフ1回戦では、シーズンMVP候補のビッグマン、ジョエル・エンビードやあごひげがトレードマークのポイントガード、ジェームズ・ハーデンらが所属する同カンファレンス4位のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(51勝31敗、勝率.622)と対戦する。

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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