月刊バスケットボール6月号

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2022.04.07

馬場雄大(メルボルン・ユナイテッド)が中国代表ジョウ チー所属のサウスイースト・メルボルン戦白星で2得点、3リバウンドを記録

 オーストラリアのプロリーグNBL、メルボルン・ユナイテッドの馬場雄大が、4月7日に復帰後3試合目となるサウスイースト・メルボルン・フェニックスとの一戦にスターターとして出場した。馬場はすばしこい相手のガード、ゼイビア・マンフォードやイザヤ・リアファらにディフェンスでプレッシャーを与える役割を担い、19分6秒のプレーで2得点と3リバウンドを記録。メルボルンのクロスタウン・ライバル同士が激突した試合はユナイテッドが90-88で接戦を制し、3日前のパース・ワイルドキャッツとの試合に続く連勝という結果となった。


馬場の唯一の得点シーンは第3Q開始1分過ぎのプレーで、ドライブを仕掛けてスピンムーブから決めたレイアップだった。ただしオフェンスではフィールドゴール7本中成功がこの1本のみで、ほかにも3Pエリアからキャッチ&シュートを打てる機会があったが、サイドラインを踏むターンオーバーを2度犯すなど、試合勘を取り戻すのにやや苦戦している様子がうかがえた。ドライブからのレイアップをジョウにブロックされる場面もあった。


それでも、首位固めの重要な試合で馬場をスターターとして起用し、第4Qの中盤にもコートに送り出されていることを思えば、ディーン・ビッカーマンHCが馬場に期待と信頼を寄せていることが感じられる。実際、この試合の前日にチームが発信したマシュー・デラベドバとビッカーマンHCのインタビュー映像では、両者が馬場を高く評価するコメントを聞くことができる。

 

 

 昨シーズンまで8年間NBAで過ごし、レブロン・ジェームズらとともに王座獲得の経験もあるユナイテッドの司令塔デラベドバは、その映像の中で馬場について、「非常に良くやっています。うまくチームに溶け込んでいますね。僕はまだ初めて会ってから2週間ほどですけど、皆が敬意を示しているのがわかります。チームメイトとの関係性やあのディフェンスと競争心を見ると、その理由もわかるというものです」と話している。またビッカーマンHCは「ガード陣のディフェンスを信頼しています。シェイ・イリ(デラベドバ同様バックコートのチームメイト)がそれまでとちがうレベルに押し上げてくれたところに馬場が加わり、それをさらに高めてくれました」と馬場のディフェンスを高く評価している。

 

 馬場としては、レギュラーシーズン終了後のNBLファイナル(Bリーグにおけるチャンピオンシップ)に向け、緊迫感に満ちた実戦の中で調子を整えていく最高の機会を得られていると言えるだろう。昨年王座を獲得した過程での自分らしさを焦らず取り戻せば、成績もついてくるに違いない。

 

 中国代表のビッグマン、ジョウはこの試合でフィールドゴール9本中8本を成功させ17得点と大いに活躍した。しかし、第4Qの最終局面でユナイテッドのビッグマン、ジョー・ルアル-アチュールJr.に89-88とリードを奪われるダンクを食らい、その直後のオフェンスでは、逆転を狙ったポストプレーからのベビーフックがこの試合唯一のミスショットとなるなど、運がなかった。


メルボルン・ユナイテッドはこの勝利で通算成績を17勝7敗とし、2位のシドニー・キングス(15勝7敗)、3位のイラワラ・ホークス(16勝8敗)に対するリードを1ゲーム差に広げた。馬場は復帰後の3試合で、平均3.3得点、1.0リバウンド、1.0アシスト、0.3スティールのアベレージ。次は4月10日(日)にケアンズ・コンベンション・センターで行われるケアンズ・タイパンズとのアウェイゲームでの活躍に期待だ。

 


(月刊バスケットボール)



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